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 これまで様々な動物の脱走事案をお伝えしたが、今回のケースはなんとカバである。南アフリカの自然保護区の柵を越えて逃げ出してきたオスのカバが、深夜の住宅地を歩き回っていたのだ。

 草食動物ではあるが、大きくて強力な顎を持つカバは危険な動物である。目撃した住民によって当局に通報され、カバは自然保護区へと帰っていったそうだが、このカバが自力で逃げ出したのには理由がある。

【画像】 強いオスに攻撃されたカバ、自然保護区から逃げ出す

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 ケープタウン郊外にあるロンデフレイ自然保護区には多くの湿地帯があり、様々な野生動物が生息している。

 ここには多くのカバたちも生息しているが、カバは強い縄張り意識を持ち争いが絶えない。特に年上の支配的な立場にあるオスは、弱いオスに攻撃をしかけることがある。

 今回住宅地で目撃されたカバは、支配的なオスのカバにいじめられ、保護区のフェンスを破壊し、人間の住むケープタウン市の住宅地まで命からがら逃げ出してきたそうだ。

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 このカバは、4月12日の深夜、同市グラシー・パークの8番通りで住民によってはじめて目撃され、当局に通報された。

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 ロンデフレイ自然保護区とこの住宅地はさほど離れておらず、住民はフェンスで仕切られた保護区の中でカバたちが動き回るのをみたことはあるが、まさか住宅地に来るとは思いもよらなかったという。

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自然保護区に追い返す作戦

 事件当日、カバは警察に追い詰められると、シュワルツ氏の家の庭に駆け込んだという。カバは庭を駆け回り、壁を破壊して逃走した。

 草食動物であるカバはおっとりしているように思われているが、実際には危険であり早く走ることもできる。人間に危害を加える可能性もある。

 シュワルツ氏の74歳の母親は、家の中から怯えながらカバの動向を見守っていたという。

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 ケープタウンの保護団体であるSPCAの広報担当者、ベリンダ・エイブラハム氏と野生動物部門のインスペクター、トレバー・ロドニー氏が現場に急行した。

 クェミックのレンジャー部隊も駆けつけ、午前1時頃にカバをロンデブレイ自然保護区のパースロードに追い返す作戦を行い、カバは翌日の午前2時24分頃に保護区に戻っていった。

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 ケープタウン市当局は、カバは無事であること、またカバに襲われる等の被害が出てないことを確認しているという。

 カバが壊していったフェンスは正式な修理が行われるまで一時的に固定された。

 強いオスからいじめられ、逃げ出してきたカバが、元の場所に戻って、再びいじめられなきゃいいなとは思うけど、自然界ってそういう所なので、たくましく生き延びて欲しい。

 少なくとも人間の住む場所は野生動物の居場所にはならないので、壊れない丈夫なフェンスを作ってほしいね。

アメリカでは象が脱走

 新たに飛び込んできたニュースによると、2024年4月16日、アメリカ、モンタナ州ビュート市では、サーカスの象の1頭が調教師の手をかいくぐり、人でにぎわうハリソン通りに迷い込んだという。

 彼女はビュート市の中心部を通り抜け、カジノの前や倉庫施設。この事態を受けて通りは一時閉鎖されたという。

 一部の倉庫に若干のダメージを与えたものの、幸いにも怪我人は出なかった。象はサーカスの調教師たちにより、拘束され安全に連れ戻されたそうだ。

 大き目な動物の脱走が続いているようだね。次は誰かな?

Written by parumo

 
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カ、カバさん?脱走したカバが深夜に住宅地を歩き回る珍事