タイポグリセミア」というインターネットミームをご存知だろうか。これは、例えば「こんちには みさなん おんげき ですか?」といった具合に単語の文字の順番がバラバラでも、最初と最後の文字さえ合っていれば読めてしまう…という現象である。

以前X上では、このタイポグリセミアに酷似した「謎すぎる看板」に注目が集まっていたのだ。

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■この看板、何かおかしい…

今回注目したいのは、Xユーザー・MUCOMさんが投稿した1件のポスト。

「そいや今日見かけたこの看板。半日考えましたが、どういうネタなのか思いつかなくてモヤモヤしてるナウ」と綴られた投稿には「ドリー匚ランイン」なる、謎の8文字を掲げた建物が確認できたのだ。

ドリー匚ランイン

建物の正体は十中八九、コインランドリーと思うが…まるで文字化けが起こったような看板である。

 

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■「読めてしまうのが不思議」

圧が強すぎる看板は瞬く間に話題となり、件のポストは投稿から数日で3,000件近くものリポストを記録するほど話題に。

他のXユーザーからは「コラかと思った」「最後4文字で韻を踏みたかったと推測はできる。だが、なぜコを逆にしたのかがまるで分からん」「これでも読めてしまうのが不思議」「アナグラム作ろうとして途中で力尽きたみたいになってる」など、驚きの声が多数寄せられていた。

ポスト投稿主・MUCOMさんに話を聞くと、こちらの建物は東京・葛飾区にて発見したものと判明。

発見時の感想について、MUCOMさんは「パッと見でコインランドリーであることは分かったのですが、アナグラムのような看板の意図が全く分からず、首を傾げながらとりあえず写真を1枚撮影し、考えながら立ち去りました」と振り返っている。

そこで今回は、こちらのコインランドリー「ドリー匚ランイン」のオーナーに、取材を敢行することに。その結果、衝撃的な事実が多数明らかになったのだ…。

 

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■それにしてもこのオーナー、ノリノリである

以前より、コインランドリーにも関わらず「千葉のボロ戸建て 買い取ります」などパンチの効いたフレーズを掲げ、看板を何度も変更してきた同店。

しかし「千葉のボロ戸建て」看板に関しては大家から直々のNGが出てしまい、今年に入ってから「ドリー匚ランイン」の看板に変更したことが分かった。

オーナー葛飾区内に計4つのコインランドリーを所有しており、「ドリー匚ランイン」の当初の名称は「コインランドリー遊遊 高砂北店」だったという。なお、他店舗ではごくごく普通の看板を掲げているそうなので、件の店舗だけ前世の業が深かったのだろうか…。

ドリー匚ランイン

気になる「ドリー匚ランイン」の読み方に関しては、「僕も分かりません(笑)。看板を見て不思議そうな顔をしている通行人を想像して酒の肴にしたかったので、こちらの名前にしました」との回答が。

ひょっとしたらオーナーは、名前を奪った相手に謎の名前をつけ、困惑させるタイプの妖怪なのかもしれない。

看板(およびオーナー)はじつに奇妙だが、店内には居心地の良い空間が広がっているため、気になる人はぜひ足を運んでみてほしい。

 

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■執筆者プロフィール

秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力と機動力を活かして邁進中。

X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。

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