学生A「圧迫面接って聞いたことある? 」学生B「面接中、大声で怒鳴られたり、意見を否定され続けたりするアレ? 」学生A「それそれ、何度も『なぜ? 』で返されたりする面接ね」学生B「ダリィ~! でも、大昔は圧迫面接がスタンダードだったらしいね」学生B「ムリ~」学生A「でも、我々も気をつけないといけないよね」学生B「うんうん」学生A「会社の忍耐強さを試すために、企業の担当者を圧迫しないように…」少子高齢化が進んだ20XX年、就活生が企業の採用担当者や経営者を逆面接する時代へ…なっているかも。

就活生が会社を選ぶ時代となった

映画カメラを止めるな! 』で一世を風靡した 上田慎一郎監督の縦型ショートフィルムが人気です。キツネの仮面をつけたまま結婚生活を送る「仮面夫婦」、登場人物が次々に感染していく「説明台詞オブ・ザ・デッド」、中年男が若者を大説教する場面から始まる「レンタル部下」などなど。

お話は裏の裏のまたその裏があったり、通常社会を逆転した構図が描かれていたりで、短いストーリーながら驚かされたり、シニカルな気持ちにさせられたり、最後に暖かい気持ちになる作品も。ちょっとした社会での出来事や話題を切り口に、近未来、異世界、というよりも、もしかしたら実際にあるかもしれない世界線を描きだす映像作品群です。

今回バズッたのは、就活生が企業の採用担当を逆面接していくというお話。就職で苦労している学生からしてみると溜飲が下がるような作品かもしれませんね。厚生労働省によると2040年には65歳以上が全人口の約35%となると推計されています。一方で企業が継続していくためには若い人材が必要。ますます少子高齢化が進む中、売り手市場は加速していくはず。一見荒唐無稽にも見える逆転面接のお話ですが、フォロワーからはこの作品からリアルを感じ取った人が多いようです。

「面白いけど実際今後はそうなっていく。看護の世界では半分こんな感じ」「これは極端だけど、こうなってきてると思う」「まるでバブル時代の就活をリアルで見てる気分になった」「バブル時代の東大生vs中小企業とかだとリアルにこんな感じだったらしいですね」「企業が交通費を多めに渡していたバブル期が実在したのが信じられない」「バブル期よりイマのほうが若者少ないしこの動画に近いかな」「無い話じゃ無さそうで…未来が」などなど。

投稿者である上田慎一郎監督にお話を伺いました。
○……なぜこのような動画を撮影しようと考えましたか?

就活面接の立場を逆にして見せれば、現代日本が抱える様々な問題を浮かびあがらせる作品ができるかもしれないと考えたからです。
○……上田監督の面接に関する思い出などありましたらお教えください。

思い出ではなく面接というものに対して思っていることなのですが、これからは選ぶ側/選ばれる側という考え方ではなく、お互いが対等な立場でマッチングする仕事/人を選ぶという考え方になっていくのではないかなと思います。
○……気になる反応などありましたか?

本当にこうなればいいと願う人、絶対こうなってはならんと怒る人、もう既にこうなってるよと嘆く人、若者の対応にスカッとしたという人、逆にムカっとしたという人…。人によってここまで感想が変わる作品になったことに驚きました。
○……就活生へのメッセージがありましたらお願いします。

絶対にマネしないでください。

▼就活生が会社を選ぶ時代となった

@picorelab 「逆面接」 #ショートフィルム #アンバサダー ♬ オリジナル楽曲 - 上田慎一郎

上田慎一郎 うえだしんいちろう ハットで天パの映画監督。監督作『カメラを止めるな!』『スペシャルアクターズ』『ポプラン』他
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(矢野タト)

画像提供:マイナビニュース