ノジマステラ神奈川相模原小笠原唯志監督が、敗れた日テレ東京ヴェルディベレーザ戦を振り返った。

N相模原は18日、2023-24WEリーグ第15節で東京NBとアウェイで対戦。前半、ワンチャンスを生かして南野亜里沙の一撃で先制したが、後半3失点を喫しての逆転負けで4連敗となり、2分け13敗と未勝利が続いている。

小笠原監督は試合後の会見で「選手は本当に一生懸命頑張っています。そこは本当に認めてあげてほしいと思っています」と繰り返し述べた通り、今節は粘りの戦いを披露。中断明けは3バックが中心だったが、前節からは4バックへシフトし、今節は笹井一愛と南野亜里沙が縦関係を築く[4-4-1-1]を採用。前線の2人は東京NBのボランチに睨みを効かせ、前半はパスを引っ掛ける場面も多かった。

指揮官は「ベレーザさんのビルドアップが変則的な立ち位置なので、2トップで(相手の3バックを)追うと、ボランチに簡単に入れられて前を向かれ進まれてしまう。1トップ気味で南野がボランチを見る形で、サイドにボールが出たらサイドハーフが出ていくと、そこはうまくいったと思います。ただ、相手が付いていてもベレーザさんは全然(ボールを)取られないので、粘り強いディフェンスでなんとか相手にプレッシャーをかけて長いボールを蹴らせて、回収するようなプランで、そういう形にしました」と意図を明かす。

後半もサイドから押し込まれる回数が増えた中で「9割ぐらい、あのゴール以外は全部弾けていたと思いますし、そこは本当によく守れるようになったと思います」と、選手の成長を称えた。

一方で「あのゴール」となった74分、松田紫野のクロスに対する南里杏のクリアがオウンゴールとなり、試合は振り出しに。そこから80分、84分と立て続けの失点を喫したことで、天秤は大きく傾いた。

「ベレーザさんは力がありますが、前半本当に我慢して1点取れたのは本当に成長したと思っています。ただ、後半は45分あのまま受けて立つのか、うまくいっているのにもかかわらず、交代で何ができるのか、その辺は5枚にするか4枚にするか(も含めて)、本当に難しい交代のタイミングだったかなと思いました」と自身の采配にも目を向ける。

攻撃面では、守勢の中でも61分にカウンターから笹井に追加点のチャンスが、逆転された直後の83分にも榊原琴乃にボックス内での決定機が訪れた。

だが、いずれもシュートは枠を捉えられず。小笠原監督は「ミドルシュートの力は藤野選手も山本選手もありますし、グラウンダーのスリーピーなシュートを決めています。うちの笹井と榊原にもチャンスはあったんですけど、あのシュート力を見て、2人には成長して欲しいなと思います。やはり代表クラスはそういうところで決めている」と、個の差を認め、今節の経験を糧にさらなる成長に期待を込める。

次節の対戦相手も個の能力ではリーグ屈指のINAC神戸レオネッサ。中2日で迎えるホームゲームへ向けては「痛い目には遭いましたけど、そういうところをプラスにして次のINAC戦は胸を借りるつもりで頑張っていきたいと思います」と意気込みを語った。