頓宮裕真

オリックス・バファローズは、16日から宮城・楽天モバイルパーク宮城で行なわれた東北楽天ゴールデンイーグルスとの3連戦を2勝1敗と2カード連続で勝ち越し、17日と18日の試合では今シーズン初の連勝をマーク。チームは18試合を消化して9勝9敗と開幕から続いていた借金生活に別れを告げて、パ・リーグ3位に浮上した。

首位の福岡ソフトバンクホークスとのゲーム差も2.5ゲーム差と射程圏内に入り、19日から福岡・福岡PayPayドームに乗り込んでソフトバンクとの3連戦を行う。

 

■田嶋大樹「リズムよく投げられず」

この楽天との3連戦、初戦は初回に主砲のレアンドロ・セデーニョが2点タイムリーで先制するも、先発の田嶋大樹が3回を投げ、被安打7、奪三振1、失点5と楽天キラーらしからぬ乱調でリードを守ることができなかった。

田嶋は「試合を作ることができず、申し訳ない気持ちでいっぱいです。なかなか自分が思うような球を投げられませんでしたし、リズムよく投げることができませんでした」と、試合中に修正ができなかったと口にしている。

 

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■頓宮裕真は引き続き好調

2戦目はここまで2戦2勝の新外国人アンダーソン・エスピノーザが楽天打線を相手に7回までバッタバタと7奪三振、無失点の好投。打線は好調の兆しが見え始めていた頓宮裕真が2号ソロを含む2安打4打点の活躍を見せて、チームは5-0で解消した。

3戦目は前回の登板で3回0/3を4失点と乱調だった大卒2年目左腕、曽谷龍平が5回を投げ、被安打2、奪三振7、無失点の好投。曽谷は「無駄な四球を出してしまったことは反省点ですが、今日は変化球がある程度まとまっていましたし、全体的にはストライク先行で勝負することができました」と手ごたえがあったようだ。

また、2番手のルーキー古田島成龍が2回を無失点に抑えて「古田島くん」がトレンド入りするなど、投手陣が完封リレー。打線は7打点とつながりを見せた。

 

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■不振脱却する選手たち

今シーズンのオリックスは開幕から打線が不調に陥っていたが、18試合を終えて主砲のセデーニョが.317、4本と好調をキープしている他、福田周平が.324西野真弘が.333と、昨年は控えに回っていた仕事人がスタメンとして存在感を発揮。3連戦で6打点をマークした頓宮の他にも宗佑磨紅林弘太郎も不振から脱却した印象を受けた。

一方で西川龍馬パ・リーグ投手陣を見極め中。杉本裕太郎森友哉は不振が続いており、特に森に関しては心配されているが、中嶋聡監督が2戦目を完全に休ませ、3戦目では代打で起用するとしっかりヒットを放っているだけに、これをキッカケに本来の力を出してくれることを願いたい。

 

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■パ・リーグ「団子状態」への備え

シーズンは始まったばかりではあるが、ソフトバンクとの3連戦は勝ち越して、貯金を作った上で、京セラドーム大阪に戻りたいところ。今年のパ・リーグは中嶋監督が予想したとおり「ガチガチの団子状態」になる可能性が高く、早い段階で貯金生活を暮らすに越したことはない。

ここに来てソフトバンクの勢いが止まって来ていることもあり、山下舜平大東晃平宮城大弥の先発が予想されるオリックスとしては、復調した打線の援護を得た上で、ソフトバンクにも敵地で完勝しておきたい。

 

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■執筆者プロフィール

どら増田

どら増田:1973年神奈川県横浜市出身。幼い頃に初代タイガーマスクに衝撃を受けてからプロレスや格闘技を見続けている。同じく幼い頃から見ていたプロ野球は紆余曲折を経て2010年からオリックス・バファローズを応援。

音楽やエンタメ、グルメなどのイベントプロデュースの仕事をしていたが、2014年からスポーツライターの道へ。

横浜在住にもかかわらず京セラドーム大阪を中心にオリックスを現場取材する傍ら、新日本プロレススターダムRIZINなどプロレス・格闘技の現場取材をしつつ多媒体で執筆している。

2018年にはスカイAで放送されたオリックス山本由伸と当時はキックボクサーだった那須川天心の神童対談実現に尽力した。ペンネームの由来はレジェンドレスラー藤波辰爾ドラゴンから来ており、取材を通じて藤波本人から公認を貰っている。

パ・リーグ昨年“首位打者”頓宮裕真が楽天3連戦6打点 打線復調でオリックスは借金返済