貧困、障がい、宗教二世など、多様な困難を抱える男性をあらわした“弱者男性”という言葉。弱者男性当事者の声を集めた話題の新書『弱者男性1500万人時代』で、ライターのトイアンナが、過少評価されてきた弱者男性たちの実態を明らかにするため、これまで数量的に定義されていなかった「弱者男性の人口」の推計に踏み切った。

その結果、「最大で1500万人」、つまり男性の約24%、日本人の8人に1人は何らかの弱者性を抱えていることがわかった。そのなかには、一見“強者”と思われがちな高学歴男性もいる。共感が得られない、孤独な生きづらさの正体に迫った――。

今回は容姿のハンディを逆手にとってブレイクした早稲田卒の「レンタルぶさいく」氏を直撃した。「どんなことでも面白くしたい」という彼の最強メソッドを紹介する。

◆『他人がどう思うかは関係ない』という絶対的な自分軸で生きている

弱者男性カテゴリーの一つである“容姿にハンディがある”を逆手に取り、SNSでブレイクした高学歴男性がいる。名前もサービスもそのまま「レンタルぶさいく」氏だ。

早稲田大学のお笑いサークル出身です。いい大学に行けばモテるんじゃないかと思っていたけど、一切モテないどころかコンパで無視されたりも。スペックだけ見れば“高学歴弱者”と言えるかもしれません」

どんなことでも面白くしたいという彼の人生の軸に、依頼を受ければどこへでも行くレンタルぶさいく業がハマった。

「ぶさいくならではの依頼として、『恋愛から遠ざかっているので気兼ねない相手と疑似的なデートをしたい』といったものがありました。僕は、相対的にぶさいくという属性は活用していますが、元来、『他人がどう思うかは関係ない』という絶対的な自分軸で生きている。だから僕は、自分のことを弱者だとは思っていません」

◆諦めずにやり続ければ弱さが強みになる日が来るかもしれない

一度は頓挫したレンタル業だが、諦めずに復活を遂げた。

「毎日12時間以上勉強して早稲田大学に合格したことと、28歳まで交際経験ゼロだったのに、マッチングアプリで500人以上と会って、女性との会話を楽しめるようになり、彼女ができたこと。これによって、時間をかけて数を撃てばなんとかなる、失敗してもネタになるという“強者メソッド”が完成しました。

その間、女のコに食い逃げされて猛ダッシュで追いかけたりと、考えようによっては悲惨なこともあったけど、新しい出会いというだけでも十分おもしろい。高学歴男性は、プライドが高くなって失敗を恐れがちですが、弱者が希望を叶えるのに必要なのは、諦めずにやり続けること。ドリカムの『何度でも』ばりにしつこく立ち上がってチャレンジすれば、弱さが強みになる日が来るかもしれません」

今後はオランダでうどん店を開くという野望を叶えるため、YouTubeチャンネルで活動を続けるレンタルぶさいく氏。逆境をはね返す彼の挑戦を見るだけで、勇気が湧きそうだ。

レンタルぶさいく氏】
1990年生まれ。早稲田大学社会科学部卒。’20年に「レンタルぶさいく」のサービスを開始。セブでも活動し、2月に帰国

<取材・文/週刊SPA!編集部>

―[[高学歴弱者]の肖像]―


レンタルぶさいく氏