週明け22日の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比287.55ポイント(1.77%)高の16511.69ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が84.65ポイント(1.47%)高の5831.26ポイントと反発した。売買代金は1049億2490万香港ドルとなっている(19日は1061億5270万香港ドル)。
 投資家心理がやや上向く流れ。中東地域の地政学リスクが後退したことで、投資家に買い安心感が広がった。ほか、中国当局の経済対策や市場支援策に対する期待感も支えになっている。香港市場の活性策に関しては、中国証券監督管理委員会(CSRC)が19日、本土大手企業の香港上場を支援するほか、株式相互取引(ストックコネクト)制度を拡充すると発表した。また、ハンセン指数は先週末、約1カ月半ぶりの安値を付けていたとあって、値ごろ感も着目されている。
 寄り付き前に発表された実質的な政策金利となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」は、予想通り銀行貸出の指標となる1年物LPRが現行の3.45%。住宅ローン金利の指標となる5年物LPRも3.95%に据え置かれた。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が8.5%高、薬品卸で中国最大手の国薬HD(1099/HK)と飲食ポータルサイトの美団(3690/HK)がそろって5.6%高、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(700/HK)が5.5%高と上げが目立った。
 セクター別では、医薬が高い。上記した銘柄のほか、康希諾生物(6185/HK)が6.1%、翰森製薬集団(3692/HK)が4.3%、石薬集団(1093/HK)が4.0%ずつ上昇した。
 海運・空運セクターもしっかり。太平洋航運集団(2343/HK)が4.2%高、東方海外(316/HK)が2.5%高、中国東方航空(670/HK)が2.7%高、中国南方航空(1055/HK)が2.3%高で引けた。
 中国消費セクターも物色される。酒場チェーンの海倫司国際HD(9869/HK)が5.5%高、スポーツ用品の李寧(2331/HK)が4.5%高、酒造の青島ビール(168/HK)が4.3%高、食肉加工の中糧家佳康食品(1610/HK)が3.6%高、ハイパーマーケットの高キン零售(6808/HK)が3.5%高で取引を終えた。
 半面、産金セクターは安い。山東黄金鉱業(1787/HK)が7.4%、霊宝黄金(3330/HK)が7.1%、招金鉱業(1818/HK)が5.6%、紫金鉱業集団(2899/HK)が5.0%ずつ下落した。
 他の個別株動向では、新興EV(電気自動車)メーカーの理想汽車(2015/HK)が8.3%安。米テスラが複数モデルを値下げする中、理想汽車も販売中の複数車種を値下げした。
 一方、本土マーケットは続落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.67%安の3044.60ポイントで取引を終了した。エネルギー株が安い。自動車株、素材株、公益株、不動産株、銀行株なども売られた。半面、酒造・食品株は高い。医薬株、空運株、軍事関連株、保険・証券株、半導体株の一角も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)