冷蔵庫があまり冷えないからと、改良を試みた人が注目を集めています。ムチャしやがって……!

【画像】強制冷却の仕組み

●冷えない冷蔵庫を改造

 話題の主は、X(Twitter)ユーザーのマサハル電機さん。中古で買ったハイアール製冷蔵庫の冷えなさを解消しようと、庫内にファンを仕込む方法を思いつきました。

 その冷蔵庫は、庫内の冷却器から出た冷気が自然に対流して食品を冷やす「直冷式」。そこに、「間冷式(ファン式)」のように風を起こし、冷気を強制的に対流させて急速に冷やすのが改良の狙いです(参考:アイリスオーヤマのサイト)。

 やり方としては、外側から電源ケーブルを引き込んで、庫内でファンを回すのみ。シンプルながら効果はてきめんで、中はキンキンに冷え始めました。このアイデアを紹介したポストは、「発想が天才のそれ」「力業すぎて好き」と大好評です。

 しかしその一方で、「温度管理ができなくなって、冷蔵庫の食品が凍ったり霜ができたりしてしまうのでは」といった指摘も。そしてその懸念は現実のものとなってしまいました。ファンの設置から約2日後、庫内はキンキンになりすぎて、オレンジやお茶が凍りついていたのです。

 なんともままならない結果となった冷蔵庫は、「空気の流れってすげ~」「冷凍みかんおいしそう」と、再び注目を集めることに。編集部はマサハル電機さんを取材し、改良の詳細を聞きました。

●冷蔵庫かと思ったら冷凍庫になった

―― 冷蔵庫の改良を試みたいきさつをあらためて教えてください

マサハル電機 冷蔵庫のお茶がとにかくヌルい日々を送っていたからです。中古品だったこともあり、当初は冷媒ガスがもれてしまったのかと考えていました。しかし、冷蔵室の上にある冷凍室は霜が付きまくるぐらいガンガン冷えるので、つじつまが合わないなと気づきました。

 そこで冷蔵庫についていろいろと調べたところ、一般的な冷蔵庫は、冷凍室の冷却装置から冷気の一部を冷蔵室に「おすそわけ」している構造だと知りました。そのおすそわけの方式も、ファミリー向けや業務用のような高い冷却性能が必要な製品はファン式ですが、一人暮らし向けなどの小さくて安価な冷蔵庫は直冷式がほとんどのようで、私の冷蔵庫も当然直冷式でした。

 直冷式は冷気が自然に巡る分、庫内の温度ムラが激しいのが特徴で、私の冷蔵庫もお茶がヌルいくせに奥の壁には霜が付いているという残念っぷりでした。……と、ここまで調べたら、「もう自分でファン付けて対流させればいいだけじゃん」となるわけです。

―― 改良に使用した装置や、かかった費用を教えてください

マサハル電機 5Vの冷却ファンが2個で1800円、USBポート付きの電源タップが1000円、USBの延長ケーブルが100円で、約3000円といったところです。ケーブルなどの固定に使ったテープは、家にあったもので間に合わせました。

―― 具体的に、庫内の温度はどれほど下がったのでしょう

マサハル電機 温度計を用いた計測はしていませんが、改造前はお茶の温度が十数度はあったと思います。それが改造後は凍りかけていたので、0度近くにはなっていたと思われます。

―― 投稿には大きな反響がありましたが、特に印象に残ったものはありますか?

マサハル電機 「そこまでして冷やすものがみかんですか」「それより醤油とみかんとバターしかない冷蔵庫何?」です。本当にごもっともですね(笑)。改造の割に冷やすものがヘボすぎました。ちなみにこれ、みかんじゃなくてオレンジです。

―― なかには「やってみたい」といった声もありましたが、注意事項などありますか?

マサハル電機 冷蔵庫の外から中に電源ケーブルを通す方法を工夫する必要があります。穴を開けずに通す場合、扉のパッキンにケーブルが通るため、必ず隙間が生じます。これでは冷蔵庫の扉がきちんと閉じていない状態と同じで、冷気が逃げて本末転倒です。

 ほとんどの冷蔵庫は磁力で閉じますので、USBケーブルのようなもので隙間ができると閉じた状態をキープできなくなると思います。いや、というかそもそも冷えない冷蔵庫はさっさと買い替えてください。

庫内にファンを仕込み、冷気を巡らせようという試み。効果は抜群だったが……?(画像提供:マサハル電機さん)