社会人1年目のフレッシュな新人が入社してきて、ちょっと先輩風を吹かせている人もいるのでは。社会人を1年間やってきたから、会社のこと、世の中のこと、色々と分かってきたという人が多いなか、お金のこととなると、まだ現実が見えてきていないようです。社会人2年目、理想と現実とのギャップをみていきます。
社会人2年目のみなさんに聞きました…30歳時点の目標「貯蓄額」と「年収額」は?
ソニー生命株式会社が行った『社会人1年目と2年目の意識調査2024』によると、社会人2年生に社会人1年目の生活で貯蓄した金額を聞いたところ、「100万円以上」が23.8%、「50万~100万円未満」が19.4%と続く一方で、「10万円未満」が17.0%、「0円」が13.4%と分かれ、平均は49万円。貯蓄する(できる人)と、貯蓄しない(できない)人に分かれる結果になりました。
【社会人1年目で貯蓄した額】
0円:13.4%
10万円未満:17.0%
10万~20万円未満:11.0%
20万~30万円未満:8.4%
30万~40万円未満:4.6%
40万~50万円未満:2.4%
50万~100万円未満:19.4%
100万円以上:23.8%
また30歳時点の目標貯蓄額を聞いたところ、最多は「1,000万~2,000万円未満」で20.6%。平均は986万円で、昨年788万円よりも198万円増加しました。物価高による生活防衛意識の高まりだとしています。
【30歳時点の目標貯蓄額】
100万円未満:13.6%
100万~200万円未満:10.8%
200万~300万円未満:8.6%
300万~400万円未満:8.6%
400万~500万円未満:2.4%
500万~600万円未満:16.2%
600万~1,000万円未満:7.8%
1,000万~2,000万円未満:20.6%
2,000万円以上:11.4%
さらに30歳時点の目標年収を聞いたところ、最多は「500万~600万円未満」で25.0%。平均は647万円でした。男女別に2023年と比較すると、男性は558万円→705万円、女性は481万円→588万円と増加しました。
【30歳時点の目標年収】
200万円未満:6.6%
200万~300万円未満:5.8%
300万~400万円未満:13.4%
400万~500万円未満:16.2%
500万~600万円未満:25.0%
600万~700万円未満:10.0%
700万~800万円未満:3.6%
800万~900万円未満:4.6%
900万~1,000万円未満:1.0%
1,0000万円以上:13.8%
30歳になった自分は年収705万円!夢膨らむ社会人2年目だが…
社会人2年目というと、1年目のころよりも会社への理解も進み、思考もより現実的になってくる頃ですが、実際はどうなのでしょうか。お金まわりのことについて、理想と現実を比較してみましょう。
まずは貯蓄について。
金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]』によると、30代の貯蓄額の平均は594万円、中央値は100万円。これは金融資産を持っていないという世帯も含む数値なので、金融資産保有世帯だけに絞ると、平均912万円、中央値は300万円。諸先輩たちの貯蓄の状況を鑑みると、相当頑張らないと、目標額には届きそうもありません。
次に年収について。
厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、サラリーマン(正社員)30代前半の平均給与は、月収で30.7万円、賞与も含めた年収で596.9万円。給与分布でみていくと、月収の中央値は29.0万円です。仮に30歳時点の年収の目標額705万円で、平均的な賞与を手にしていると仮定すると、月収は46万円。30歳にしてその月収を手にしているサラリーマンは上位4.4~5.6%に限られます。
――えっ、それだけ?
――30歳の給与ってそんなに低いの?
――もう、働くのが嫌になった……
社会人2年目で掲げた目標年収に達しているのは、ほんのひと握りのエリートだけ。思わず唖然となってしまう結果に、やる気がなくなるのも当然かもしれません。ただ社会人2年目が30歳になるまではまだ数年あります。毎年の賃上げが続いた結果、30歳の平均年収705万円、という時代が来る可能性もゼロではありません。
[参考資料]
ソニー生命株式会社『社会人1年目と2年目の意識調査2024』
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