レアル・マドリードが、エスパニョールからレンタル加入中のFWホセルの買取オプション行使を検討しているようだ。23日、スペイン紙『マルカ』が報じている。

良い意味で完全に裏切られた」とスペイン大手紙に言わしめたのは、誰もが帰還を予想していなかった34歳の“点取り屋”だ。セルタのカンテラからレアル・マドリードカンテラに移ったものの、トップチームでは定位置を確保することができなかったホセル。その後はハノーファーニューカッスル、アラベスなどに在籍すると、2019-20シーズンからは4シーズン連続でラ・リーガ2桁得点に到達。スペイン代表に選出されるまでに至った同選手は、昨夏にカリム・ベンゼマの穴埋めとして11年ぶりに復帰した。ここまで公式戦42試合に出場しているが、スタメンだったのは14試合に。それでも存在感を放つ理由は、勝負所の嗅覚が健在で14得点を記録しているからだろう。

 そんなホセルのレンタル期間満了が迫る中、レアル・マドリードは150万ユーロ(約2億5000万円)に設定されている買取オプションを行使するかを検討しているようだ。『マルカ』によると、カルロ・アンチェロッティ監督は、同選手を高く評価しており、クラブ残留は喜ばしいことと考えているという。実際に、シーズンを通して1分たりともプレーしなかった試合はわずかに『3』と、信頼を寄せられていることが窺える。

 一方で、エンドリッキの今夏加入が決定している他、キリアン・エンバペの到着も確実視されており、そこにロドリゴとヴィニシウス・ジュニオールの2枚看板を擁するレアル・マドリード。『マルカ』は、前線の人数過多がバルデべバスの人間が買取オプション行使を躊躇っている要因と指摘。ただ、「残留となっても、まず間違いなく出場時間はあるだろう。アンチェロッティは彼を信頼しており、来シーズンのスカッドに入る可能性がある他のストライカーとは違ったプロフィールだ」と明確な役割を与えられるという見方を示した。

 なお同選手に対して、今夏にサウジアラビアからの刺客が送り込まれる可能性が高いとのこと。それでも、「マドリディスタであることを示し、宣言している彼なら、目をつぶってでも継続のサインをするだろう」と巡ってきた望外のチャンスを活かしたホセルは、最愛のクラブでのさらなるプレーを切望しているようだ。

レアル・マドリードがホセルの買取OP行使を検討 [写真]=Getty Images