トルコに住む40歳の男性が昨年、歯科医院で勧められるままインプラントの治療を受けた。ところが治療中、スクリュー(ネジ)が上顎を貫通して脳脊髄液にまで到達し、今でも後遺症に苦しんでいるという。男性の悲劇をトルコ語ネットメディア『Arpak Medya』などが伝えた。

トルコ北西部ブルサ県に住む2児の父ラマザン・イルマズさん(Ramazan Yilmaz、40)は昨年7月、同県ニリュフェルの私立歯科医院を訪れた。

顎の骨や歯に痛みを感じていたためで、歯科医師に検査後、「歯がぐらついていて、骨の厚みが薄い。抜歯をしてインプラント治療をすることをお勧めする」と告げられ、「この道24年のベテラン」と自負する医師を信用してそのまま治療を受けることにした。

そして抜歯をした医師は、レントゲンも撮らずにインプラントの治療を開始。その最中、秘書に「使っている機器が壊れてしまった」と告げると、その後の処置を手動で行った。

ところが医師がスクリューを挿入する際、ラマザンさんは過剰な力がかかっていることを感じ、骨が砕けるような音を聞いたという。

驚いたラマザンさんはその旨を医師に伝えたものの、「これは普通だから」と言うだけで相手にされず、医師は治療を継続した。

しかしあまりの激痛にラマザンさんが泣き叫ぶと、医師はそこで初めて治療を止めてレントゲン撮影を行った。実はスクリューは上顎の骨を貫通し、眼球を支えている薄い骨(眼窩底)に突き刺さっており、慌てた医師は自ら車を運転。ラマザンさんを地元のウルダー大学病院の救急外来に連れて行き、そのまま逃げてしまったという。

ラマザンさんは当時、左目が一時的に見えない状態で、CTスキャン検査を受けた結果、スクリューが脳脊髄液まで到達していることが判明。摘出手術は3人の医師が拒否するほどリスクが高く、「命の危険がある」と告げられた。ただ手術は数時間を要したものの成功し、数日後には退院できた。

しかしながらラマザンさんは今でも精神科で治療を受けており、上手く噛むことができないという。また酷い頭痛に悩まされることがあり、歯科医師を相手に損害賠償を求めて法的措置を取っている。歯科医師の名前はA.D.とだけ伝えられており、ラマザンさんの返金の要求を拒否し「この一件は合併症によるもの」と主張しているそうだ。

なおこのニュースには、「トルコの歯科治療は安いけど、値段相応」「返金を拒否して逃げるなんて。最低の医者だね」「悪夢。でも命が助かったのは幸運だった」「何を使ったの? 釘を打ち込む工具? どうしたらこうなるの?」「これはインプラントではなく、骨の厚みを広げるためのドリルビット(穴あけ工具)では? 副鼻腔に穴が開き、そのまま突き抜けてしまったのではないかな」「インプラントの治療を即決した男性も悪いよね」「こんな医師は免許をはく奪すべき」「早く回復することを祈っている」といったコメントが寄せられていた。

ちなみにインプラントでは今月初め、アメリカ在住の女性がデンタルインプラント「オールオン4(All-on-4)」の手術を受けたところ、顔が腫れ黒紫の痣に覆われる悲劇が起きていた

画像は『NTV Haber 「İmplant tedavisinde vida beynine saplandı: Yanlış tedavi hayatını kararttı」』『New York Post YouTube「My dental implants caused brutal bruising and left me looking like a monster」』『Báo Nhân Dân điện tử 「Cứu 1 người bị đũa đâm xuyên từ mũi lên não」(Ảnh Bệnh viện cung cấp)』『The Daily Star 「‘Shattered’ parents claim baby girl died in devastating ‘horror film’ delivery」(Image: Marisa Sheard)』『KRON4 「Emergency C-section causes cut to baby’s face」』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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