医療機関の休廃業・解散が急増している。帝国データバンク東京都港区)の調査によると、2023年度における医療機関(病院・診療所・歯科医院)の休廃業・解散は709件(前年度比37.1%増)と過去最多を更新した。10年前と比較すると2.3倍となった。

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 業態別では「病院」が19件(構成比2.7%)、「診療所」が580件(同81.8%)、「歯科医院」が110件(同15.5%)と、特に「診療所」の増加が目立った。「診療所」「歯科医院」では過去最多を更新している。また、2023年度の休廃業・解散は、同年度に発生した倒産件数(55件)の12.9倍にも上った。

 2024年1月末時点において医療機関施設数は「病院」が8115施設、「診療所」が10万5304施設、「歯科医院」が6万6886施設となっている。診療所施設の数はコンビニ数の約2倍となっており、人口減少が進む中で競争が激化している。

 診療所の経営においては、経営者の高齢化や後継者不足の問題が深刻化している。帝国データバンクの企業概要ファイル「COSMOS2」からカウントした、2024年に40~80歳になる「診療所」経営者の年齢分布を見ると、ボリュームゾーンは65~77歳と高齢化が顕著となった。

 帝国データバンクは「今後、一定期間を経て、代表の高齢化と後継者不在を理由に事業継続を断念する診療所施設は現在よりもさらに増える可能性が高い」と分析している。

医療機関の休廃業は過去最多709件 10年前の2.3倍に