Wikipedia 3大文学の1つと言われる「地方病(日本住血吸虫症)」の主要参考文献とされる、ノンフィクション『死の貝 日本住血吸虫症との闘い』(小林照幸・著)が、新章を加えるなど大幅に加筆の上、文庫化されました。新潮社から4月24日に737円で発売されました。

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 「Wikipedia 3大文学」とは、読み始めたら止まらない秀逸なWikipedia記事で、「三毛別羆事件」「八甲田雪中行軍遭難事件」そして「地方病(日本住血吸虫症)」を指しています。

 新潮文庫ではこれまでに、八甲田雪中行軍遭難事件について書かれた新田次郎『八甲田山 死の彷徨』と、三毛別羆事件について書かれた吉村昭『熊嵐』を刊行しています。それに続いて発売される『死の貝 日本住血吸虫症との闘い』は、「謎の病」の原因究明と撲滅への道のりを克明に記録したノンフィクションです。絶版により長らく入手困難となっていました。

 手足は痩せ細っているのに、腹が膨れる……。江戸時代以前から日本各地で発生していた謎の病。根本的な治療法はないこの病の原因究明のために医師たちが立ち上がり、未知の寄生虫が原因であることを突き止め……という内容。

 「Wikipediaにはまだ書かれていない、本書ならではの情報にも注目です」と新潮社はアピール。Wikipediaと比べながら読むのも面白いかもしれません。

 SNSでは、すでに「欲しい」「文庫化うれしい」「長い年月で待ち望んでいた、本屋さんで買って読めることを」などのコメントが寄せられています。

『死の貝 日本住血吸虫症との闘い』