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 犬型ロボットに火炎放射器というディストピアめいた組み合わせに、映画「ターミネーター」にからめた名称で人類を震撼させた「サーモネーター(Thermonator)」が、ついに一般販売の運びとなった。

 火炎放射器を背負ったロボット犬、サーモネーターは、昨年6月の時点で予約開始と報じられたが、この販売を機に、SFの域を出なかった禁断のマシンがとうとうこの世に解き放たれたのだ。

 これこそがリアル地獄の番犬か?犬のような4つ足で暗闇も駆けまわり、ジャンプしながら炎を放射するサーモネーターの最新動画をみてみよう。

【画像】 火炎放射器を背負ったロボット犬サーモネーター

The Robot Dog With A Flamethrower | Thermonator

 サーモネーター(Thermonator)は、アメリカの火炎放射器メーカー、スローフレーム(Throwflame)が開発した4足歩行の犬型ロボットだ。

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 その背には、同社特製の電気式火炎放射器「ARC」を搭載。そこから出る炎の射程は最大およそ9m。しかもレーザー照準搭載なので、遠目に犬と見て近づこうものなら確実にロックオンされる。

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 安定の4つ足ゆえに、足場の悪い森の中や雪原も駆け回ことができるだけでなく、ジャンプしながらでも炎を放射できる。

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  さらに LiDAR(低電力レーザー光によるセンサー技術)搭載で、暗闇でも3Dマッピングと障害物回避が可能。

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 また搭載のカメラを使った一人称視点(FPV)ナビゲーションにも対応する。

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image credit:Throwflame/Xmatter

お値段146万円でナウオンセール

 サーモネーターは9,420ドル (約146万円)で販売中。火炎放射器としては高いけどロボットにしてはお安い方かも?スペックはこんな感じだ。

[もっと知りたい!→]アメリカ冬の風物詩、なのか?雪を解かすため、自作の高火力な火炎放射器をぶっ放つヤツがまた現れた。

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image credit:Throwflame/Xmatter

本体サイズ:30×20×20インチ (約76cm×51cm×51cm)

重量:本体「 Unitree Go1」30ポンド (約17kg) 、火炎放射器搭載で約60ポンド(約27.2kg)

バッテリー寿命:1時間

火炎放射器:電気式火炎放射器「ARC」(レーザー照準付属)

火炎射程:最大30フィート (約9m)

操作:Wi-FiとBluetooth 経由でスマートフォンによる遠隔操作が可能

詳細は昨年の販売予約開始時の記事も参照

安全性や倫理的に問題。賛否両論が巻き起こる

 当然ながらサーモネーターの登場は一部で賛否両論を巻き起こしている。

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 その斬新さと機能性を称賛する声もあるが、安全性や倫理的な問題をあげる声ももちろんある。最も懸念されるのはこのように危険なメカが悪用される可能性だ。

 なお、当のスローフレーム社は興奮気味にこのように述べている。

この四足歩行ロボットは ARC Flamethrower と連動しており、オンデマンドでどこにでも火を放つことができます!

 同社によると、サーモネーターの用途は、山火事の予防や農業管理、保全、氷雪除去、またエンターテイメントなどの特殊効果などがあるという。

 さらに生態系保全に役立つ可能性もあるそうだが、具体的にどう役立つかまでは示していない。

 まえに話題になった電線の障害物を焼き払う火炎放射ドローンもけっこうなヤバみがあったが、こっちの犬型ロボットのほうがより不穏みが増す気がするのはなぜだろう?

 まあなんだ、犬型ロボット、スポットもいろんな用途に使われてるけど、火炎放射専用で売り出してるとこや動画でデストロイなイメージを押し出してるせいもあるのかな。

 ただ見方によっては、さすが火炎放射器好き(主に男性)なアメリカらしいロボットではある。火炎放射器で除雪も冬の風物詩だし。なんならハチの巣をヒャッハーとかにも使われそう。

 てことは一部の層はその気になればいつでも炎を噴射できるロボット犬を連れ歩くだけで胸熱なのかもしれない。なるほど需要が見込めるわけだ。

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 もう販売中なのでどうもこうもないけれど、とりあえずこのロボットで痛ましい事故や物騒な事件が起きないよう引き続き祈っておくよ。

References:futurism / pcmag / youtubeなど /written by D/ edited by parumo

 
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火炎放射器搭載の犬型ロボット「サーモネーター」がついに一般販売