先月、アメリカでフクロウのヒナが巣から落ちたとの通報を受け、地元の野生動物センターの職員たちが駆け付けた。ヒナは幸いにも怪我はなく、無事保護されたが、職員たちはなぜヒナが巣から落ちてしまったのか、その理由を特定した。
このフクロウは、アメリカワシミミズクという種で、自分たちで巣を作らず、リスやカラスなどが放棄した巣を利用することがよくあるそうだ。
そのため巣はボロボロの状態で、フクロウの家族が利用するには小さすぎた。このままでは他のヒナたちも落下してしまう危険性がある。
そこで職員たちはフクロウ一家のために、一肌脱ぐことにしたのだ。
フクロウ目フクロウ科に分類されるアメリカワシミミズクは、順応性が高く、都市部を含むアメリカの広範囲に生息している。
体長は約50cm前後、翼開長は150cm前後と比較的大きな鳥で、一度に2~5個の卵を産み、約30~37日間抱卵する。
ヒナは約6週間で巣立ちますが、その後も親鳥によるサポートを受けながら成長していく。
2024年3月、イリノイ州でアメリカワシミミズクのヒナが柳の木から地面に落下したとの通報を受け、ウィローブルック野生動物センターの職員たちが駆け付けた。
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幸いなことに、救助されたフクロウのヒナに怪我はなく、救助施設で看護され、おいしい食事を与え続けたところ、すっかり元気になったという。
他の動物が作った古巣はあまりにもボロボロだった
なぜフクロウのヒナは巣から落ちてしまったのか?それは巣がボロボロで、いつ壊れてもおかしくない状態だったからである。
アメリカワシミミズクは自分たちで巣作りをせず、タカやカラス、リスの古巣で子育てをする習性があるという。
この巣も他の動物が放棄していった古巣だったため、ヒナが簡単に落ちやすい構造となっていたのだ。
職員たちは、元気が回復したヒナをまたこのボロボロの巣に戻すこともできた。しかし、それでは、この子だけでなく、他のヒナたちも落下してしまう危険性があるし、親御さんたちも安心して子育てすることができないだろう。
そう考えたセンターの職員たちは、巣に残されたヒナたちを一旦全員保護することにした。
フクロウ一家の為頑丈な巣を作ってあげる
ウィローブルック野生動物センターの職員たちは、フクロウ一家の為、安心して子育てできる安全な木製の巣を作成することにした。
その頑丈な巣箱をしっかりと松の木の上に設置。
ヒナたち新しい巣に移す前に、職員は巣をできるだけ快適で居心地のよい場所にするため、わらを敷き詰め、元の巣にあったコットンテールを入れ家族が食べられるようにネズミを何匹か入れた。
そしてヒナたちを巣の中に入れ、しばらく様子を見守っていた。
フクロウ一家は新しい巣を気に入ってくれたようだ
するとお母さんが巣に戻ってきたことを確認。
お父さんも巣にいるヒナたちに甲斐甲斐しく餌を運んでくる様子も確認できた。
フクロウの家族はこの巣を気に入ってくれたようだ。これで安心してヒナたちは成長することができるね。
ちなみにウィローブルック野生動物センターがアメリカワシミミズクのために新しい巣をつくったのはこれが初めてではない。
同センターはこれまでも、ボロボロの巣で子育てをしているフクロウたちのために数多くの頑丈な巣箱をつくってきたという。
この巣なら長年使用することができ、何世代にもわたるフクロウの生活を支えているのだ。
Written by parumo
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