先週末(4月19日から21日)の北米興収ランキングは、前週に引き続きA24ディストピアアクション『CIVIL WAR(原題)』(10月4日日本公開)が首位を獲得。この週末3日間における北米全体の興収は2か月ぶりに6000万ドル台まで下落しており、昨年の同時期(『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』という大物がいたのであまり参考にはできないが)と比較するとおよそ半減。今年2度目の閑散期に突入したとなれば、求められるのは1度目のそれを打ち破った『デューン 砂の惑星PART2』(日本公開中)のような作品なのだが、近日中にそのような作品が登場するのかどうか。

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CIVIL WAR(原題)』の2週目の週末3日間の興収は1112万ドルと、前週の43.6%。この数字は2024年に週末興収ランキングで首位を獲得した作品としては2番目に低い数字となる。それでも上映館数は前週より91館増えており、作品自体の注目度や期待値は引き続き高いことが推察できる。おそらくこのような大きな下落に見舞われたのは、初週末が予想を上回る好スタートを飾った反動であろう。

累計興収は週末の時点で4488万ドルに到達しており、A24の看板作品のひとつである『へレディタリー 継承』(18)をすでに抜き去っており、近日中にも『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(22)に次ぐA24作品歴代2位のヒット作となることはほぼ確実であろう(興味深いことに、現在A24作品歴代2位の『アンカット・ダイヤモンド』は来月IMAXでの再公開が予定されているが、そこまで大きな興収の積み上げはみられないはずだ)。

上位5作品は、2週連続Vの『CIVIL WAR(原題)』と3位に粘り込んだ『ゴジラxコング 新たなる帝国』(日本公開中)を除く3本が初登場作品。いずれも2000館以上の規模で公開されたものの、閑散期の波にすっかりと呑まれてしまったようだ。

ユニバーサルクラシック・モンスター映画『女ドラキュラ』(36)を「スクリーム」シリーズのマット・ベティネッリ=オルピン&タイラー・ジレット監督が再構築したスリラー映画『Abigail』は、『CIVIL WAR(原題)』にあと一歩のところまで迫る興収1029万ドルというオープニング成績で2位にランクイン。今年はホラー映画の不発が目立っているが、『ナイト・スイム』(6月7日日本公開)以来の1000万ドル超えスタート。批評家からの評価も上々で、日本公開を楽しみにしたい一本だ。

また、4位にはガイ・リッチー監督とヘンリー・カヴィルが『コードネームU.N.C.L.E.』(15)以来のタッグを組んだ『The Ministry of Ungentlemanly Warfare』がランクイン。こちらは週末3日間で興収890万ドルと、興収的には少々物足りないスタート。それでも「ロッテン・トマト」によれば観客からの好意的評価の割合は93%と、リッチー監督の初期のカルト的人気作に匹敵する数字をマークしている。

そして5位には『劇場版SPY×FAMILY CODE:White』(日本公開中)が登場。Crunchyroll配給のもと2009館で公開され、初日から3日間で482万ドルの興収を記録。同配給で昨年4月に公開された新海誠監督の『すずめの戸締まり』(22)が2170館で500万ドルのオープニング興収だったので、それとほぼ同等の成績を収め、1館あたりのアベレージでは上回ることに成功している。FUNimation時代の『劇場版「鬼滅の刃無限列車編』(20)以降、Crunchyroll配給の日本アニメはいずれも興収1000万ドルを突破。本作もそれに続くことができるのか注目しておきたい。

文/久保田 和馬

4月19日から21日の北米興収ランキングはA24の『CIVIL WAR(原題)』が2週連続V/[c]Everett Collection/AFLO