かつて阪神でもプレーしたオ・スンファン。数多の窮地を凌いできたレジェンドが大記録を残した。(C)Getty Images

 日本でも愛された助っ人守護神が金字塔を打ち立てた。

 現地時間4月26日KBO韓国プロ野球リーグの名門サムスンライオンズはキウム・ヒーローズに3-0で勝利。守護神のオ・スンファンが同国での通算408個目となるセーブを記録し、元中日の岩瀬仁紀氏が持つアジアのプロ野球リーグ史上最多記録(407)を超えた。

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 韓日米を渡り歩いた“石直球”は今も健在だ。3点リードの最終回に登板したオ・スンファンは、2死から二塁打を打たれ、得点圏への出塁を許したが、ラストバッターには自慢の重たいストレートを4球連続で投げ込んでピシャリ。日本のレジェンドを超えるマイルストーンを球界に刻んだ。

 現在42歳のオ・スンファンは、2014年から約2年間に渡って阪神タイガースに在籍し、その間に2度のセーブ王となるなど不動の守護神として活躍。阪神退団後に自身の念願だったメジャーリーグに挑戦し、カージナルスブルージェイズロッキーズを渡り歩き、37歳となった19年8月に古巣サムソンライオンズに復帰していた。

 復帰後も淡々と仕事をこなし、このキウム戦までに防御率1.80、7セーブと数を積み重ねていったオ・スンファン。キャリア通算のセーブ数を530ともした大ベテランの偉業には、韓国メディアも感慨に浸っている。「彼はサムスンの象徴であり、歴史だ。本当に凄い選手だ」と絶賛したパク・ジンマン監督のコメントを紹介したうえで、「今日の韓国、日本、台湾のリーグオ・スンファンよりも多くのセーブを記録した選手はいない」と408という数字の偉大さを強調した。

 また、韓国のスポーツ専門サイト『SPOTV News』は「途方もない偉業だ」とオ・スンファンの功績を絶賛。「イワセとは異なり、オ・スンファンKBOだけでなく、日本、そしてアメリカでもキャリアを築いての大記録だ」と強調し、本人のコメントも紹介している。

「自分は記録にはあまりこだわらないタイプです。でも、韓国でアジア最多セーブ記録を立てられたのは嬉しく思う。韓国の野球は日本に比べて歴史が浅い。だからこそ、このような記録を持てて、自分自身を誇りに思う」

 前人未到の大記録を打ち立てたオ・スンファン。そのキャリアにはあっぱれと言うほかにない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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