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 連覇へ向けて隙無しの最強チームが結成された。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2024」のドラフト会議4月27日に放送された。事前に「一巡目は増田縛り」を宣言していた永瀬拓矢九段(31)は、強すぎる思いが競合を跳ねのけたか、増田康宏八段(26)を一本釣り。さらに、二巡目では“レジェンド世代”からフィッシャー適性の高い森内俊之九段(53)を指名し、他を圧倒する新・常勝軍団が誕生した。

【映像】藤井竜王・名人の新チームは!?ドラフト会議結果

 前回覇者が、本気すぎるチームを結成した。一巡目は、宣言通りの増田八段を指名。昨年は3人の競合となったが、“鉄の絆”への強い思いが他チームのリーダーたちに届いたか、まさかの単独指名。「佐々木勇気(八段)さんから競合しないのでは?と聞いていて、その説もあるのかなと思っていました。競合せずに一本釣りできてよかった」と嬉しそうな笑顔を見せた。増田八段とのタッグはこれで5期目。「安定感もある。毒を吐くことも多いような気もしますが、自分は5年連続で慣れているので、そこは気にしないです(笑)」と“相棒”の獲得を素直に喜んだ。

 二巡目では、“レジェンド世代”から森内九段を指名。「フィッシャーでも安定している印象と、地力の高い将棋を指されるので勉強したいなという思いがあった」と理由を語った。

 当初は前回大会でチームを組んだ本田奎六段(26)の指名構想もあったというが、直前での変更理由は藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖、21)にアリ。「藤井さんが羽生(善治九段)先生を取るのだけやめてほしいと思ったんですけど、それを本人に言ってなかったんですよね。言っていれば結果が変わったのかもしれないですね…(笑)。一巡目で“藤井・羽生”が同じチームになったので、森内先生に入っていただいてバランスを取りたいなと思いました。本田さんを切ることになってしまったのは痛いところです…」。必ず上位に食い込んでくるであろうチーム藤井のメンバー構成を踏まえ、自軍の構想を直前で変更したことを明かした。

 新・チーム永瀬は、先に行われた「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」でチーム関東Bとしてともに準優勝となったメンバーだった共通点も持つ。連続して行われる大会とあり、結束力に不安要素は皆無だ。永瀬九段は、「自分が取りたかったお二人なので、言い分がかなり通ったチームなったんじゃないかなと思います。ただ、チーム藤井をはじめ、どのチームも本当に強いと思うので、連覇は容易ではないと思います」と語り、気を引き締める。常勝軍団が目指すは、もちろん“連覇”。「一個一個上に行って、優勝というところを目指していけたら」。チーム永瀬の厳しく長い戦いはここから始まる。

ABEMAトーナメント2024 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が7回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士11人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全12チームで行われる。予選リーグは3チームずつ4リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

連覇狙う永瀬拓矢九段は本命一本釣り!「言い分がかなり通ったチーム」“レジェンド”獲得で最強常勝軍団誕生/将棋・ABEMA トーナメント