ワンデーや乱視用、カラコンなど、さまざまな種類のコンタクトレンズが流通していますが、正しく使用しないと目の病気のリスクが高まる可能性があります。例えば、コンタクトレンズを長時間つけると、目に悪影響を及ぼす恐れがあるといわれています。

 もしコンタクトレンズをつけたまま寝てしまった場合、どのような目の病気を引き起こす恐れがあるのでしょうか。眼科医の蓮見由紀子さんに詳しくお聞きしました。

最悪の場合は失明に至る可能性も

Q.コンタクトレンズを長時間装着し続けると、目にどのような影響を及ぼす可能性があるのでしょうか。また、コンタクトレンズをつけたまま寝てしまった場合はいかがでしょうか。

蓮見さん「コンタクトレンズは1日の装着時間が決められていますが、それは長い間装着し続けていると目に大きな負担がかかるからです。具体的には、レンズで眼球を覆うことにより酸素供給ができなくなったり、水分量が低下したりします。そのため、コンタクトレンズをつけたまま寝てしまうと、『傷つきやすくなる』『白目が充血する』『レンズが張り付いて違和感を覚える』といった悪影響が生じる可能性があります」

Q.では、コンタクトレンズをつけたまま寝ることで、どのような目の病気を引き起こす恐れがあるのでしょうか。

蓮見さん「コンタクトレンズと接する角膜は、バリアーのように目を保護する役割を担っています。コンタクトレンズの長時間の着用により角膜が傷ついてしまうと、ドライアイや眼の炎症などが起こりやすくなってしまいます。

この炎症が進むと『角膜潰瘍』という病気に発展し、激しい痛みや視力低下などを覚えるほか、最悪の場合は失明に至ることもあるので、注意が必要です」

Q.ハードレンズやソフトレンズなど、コンタクトレンズの種類によって炎症の起こしやすさなどに違いはあるのでしょうか。

蓮見さん「ハードレンズはソフトレンズよりも小さく、酸素の交換を行いやすい素材のため、目にとっては負担が少ない材質と言えます。一方で、使い捨てではないため、外したらしっかりとこすり洗いをしなければ、感染症のリスクが高くなってしまいます。

ソフトレンズはワンデータイプの商品も多く、その場合は使い終わったらそのまま捨てるだけなので、扱いやすいという大きなメリットがあります。ただし、価格はワンマンスや2ウイークタイプのものよりも高くなるため、予算と扱いやすさをてんびんにかけて判断していただくと良いと思います」

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 コンタクトレンズを使用している人は多いと思いますが、目をしっかりケアしないとリスクが大きくなることも覚えておきたいところです。寝ているときは涙の供給量が減ってしまうため、コンタクトレンズをつけたままにしていると、眼球が傷つく可能性が非常に高まるのだそうです。コンタクトレンズの種類に限らず、寝る前は必ず外すようにしましょう。

オトナンサー編集部

コンタクトレンズをつけたまま寝てしまった場合、どうなる?