5年前や10年前……。少し前にインターネット上で話題になった投稿や動画を振り返って紹介する企画「昔のインターネット発掘!」。今回は、2017年にYouTubeで公開されたアルミニウムに水銀を加えた実験動画を紹介します。この動画は執筆現在までに5000万回以上再生され、約60万件のいいねを獲得しています。

【画像】アルミに水銀を反応させた結果

オブジェのように立ち上がっていく

 動画を公開したのは、さまざまな実験動画を投稿している人気YouTubeチャンネル「NileRed」(@NileRed)。

 まずはホームセンターで購入したアルミ板から小さく切り取ったものを用意し、中央部に丸いへこみを作ります。これは水銀が転がらないための措置です。

 アルミニウムは通常、酸化被膜で覆われているため、これを除去しないと水銀と反応しません。そこで希塩酸で化学的に除去し、酸化被膜が再形成される前に水銀を加えることで反応させることに成功。反応は非常にゆっくりでしたが、実に4時間かけて生成されたアマルガム(水銀と他の金属の合金の総称)の繊維が神秘的なモニュメントのような形を生み出しました。

 さらにプレートを塩素で掃除した後に再び水銀を垂らし、今度は水を足してみます。すると水素ガスが発生し、今度はクラゲか化け物のような形にアマルガムの繊維がむくむくと立ち上がっていきました。なんだかかわいい。

 最後に、反応に使われたアルミ板にどのくらいのダメージがあったのか確認するため、半分に切断。結果、反応に使われていたのは表面だけで、内部はほとんどそのままの状態だったそうです。

 この投稿には、「何も理解できないが、これはクールだ」「これは悪夢の燃料だ。今まで見た中で最もクールで不気味なアマルガムだ」と格好良い反応の様子を称賛する声とともに、「錬金術師がなぜ水銀に魔力があると考えたのか、今なら分かる」とはるか昔の錬金術師たちを魅了したことに納得する声が。また、「もし化学が学校でこのように紹介されていたら、私は教えられた反応を一生忘れることはなかっただろう」と楽しい実験の様子に感動したという声が寄せられていました。

画像はYouTubeチャンネル「NileRed」(@NileRed)から引用

希塩酸で酸化被膜を除去したアルミニウム板に水銀を垂らすと……