リュウジいわく「悪口を書かれると『見返してやる』みたいな 感じで、逆に闘志が燃えるんですよ!」
リュウジいわく「悪口を書かれると『見返してやる』みたいな 感じで、逆に闘志が燃えるんですよ!」

ひろゆきがゲストとディープ討論する『週刊プレイボーイ』の連載「この件について」。料理研究家のリュウジさんを迎えての14回目は、リュウジさんが「好感度を下げたい」「ファンサはすごいする」「悪口を書かれると闘志が燃える」と語るワケや、「料理界のひろゆき」といわれる理由を話してくれました。

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ひろゆき(以下、ひろ リュウジさんはちょっと前に「テレビに出ると好感度が上がってしまうので、Xで好感度をガンガン下げておきたい」と言ってましたが、それはなぜですか?

リュウジ(以下、リュウ 好感度が上がりすぎるとダメなんです。聖人みたいな人が何かやらかすと、「なんかイメージと違う」みたいに言われるじゃないですか。特に僕は酒飲みなので、泥酔してそこらへんの路上で寝てしまうかもしれない(笑)。そのとき、僕が聖人キャラだと「酔いつぶれて道端で寝るなんてリュウジさん見損ないました」って言われるかもしれない。

ひろ でも好感度が低いと......。

リュウ 「リュウジ、また酔っぱらってんのか。しゃーねーやつだな」ってなると思うんです。

ひろ ただ、好感度が高いほうがビジネスは楽になりません?

リュウ 自分で言うのもなんですが、昔は好感度がけっこう高かったんですよ。でも、動画とかでコラボしたとき、相手が好き嫌いがはっきり分かれる系の人だったりすると、視聴者に「そんな人だとは思いませんでした」みたいに言われてしまったりするんです。

ひろ でも、無視する選択肢もありますよね。

リュウ 頭ではわかるんですけど、そういうふうに言われるのが本当に嫌で、黙っていられないんですよね。SNSでも黙っていればいいのによけいなことを言って、いつも炎上する。しかも、そういうときはたいていお酒を飲んでいたりするんです。

ひろ 「酒を飲んだらSNSに触るな」というのは鉄則ですけど、その真逆を行くという(笑)。街で声かけられたときのファンサービスとかはどうなんですか?

リュウ 僕のファンサはすごいですよ。急いでいるときは別ですけど、街で「写真いいですか?」と声をかけられて断ったことはほぼないです。ただ、近所のスーパーとかに行くときは髪の毛がボサボサでメガネ姿なんです。写真を撮られるような顔じゃないので「今はやめてくれ」というオーラを全力で放ちます(笑)。ひろゆきさんは、好感度は気にしないんですか?

ひろ 僕も気にしないっすね。言いたいことを言うし、書きたいことを書くほうを選んじゃいます。リュウジさんも僕も好感度タレントではなくて、本業が別にあるから気にする必要がないというのは大きいですよね。

リュウ そうですね。「リュウジの人間性は大嫌いだけど、料理は好き」と言われることが、ちょこちょこあるんですよ。

ひろ すると、どんな感情になるんですか?

リュウ 超うれしいです(笑)。普通、人間性が嫌いな人のレシピを作ろうと思わないですよね。それを飛び越えてホメてもらってるってことは、料理研究家として最大級のホメ言葉じゃないですか。なので、そういうコメントには積極的に「いいね」します(笑)。

ひろ ユーチューバーの人ってコメント欄を見て病んでしまう人がけっこういるじゃないですか。リュウジさんは気になりません?

リュウ 気になりませんね。僕は戦闘民族なので、そういう悪口を書かれると「は? 次はコイツを見返してやる」みたいな感じで、逆に闘志が燃えるんですよ。

ひろ 「次はおまえがうなるようなすげえレシピを作る」みたいな。

リュウ そうですね。

ひろ 僕も似たような感じですね。

リュウ 僕の原動力は、他人の怒りだったりするんですよ。「リュウジを嫌いになる」っていうのは、相当なエネルギーが必要じゃないですか。

ひろ よく「好きの反対は無関心」といわれますし、それなりに相手を知っていないと嫌いになれませんからね。

リュウ そうなんです。相手からその熱量を受けると「あ、この人のために頑張らなきゃ!」と思ってしまう。「僕がもっと頑張って評価されるようになれば、この人はもっとこの熱い気持ちを送ってくれるはず」とも思います。なので、僕が今までやってこられたのは、完全に僕のことを嫌いな人のおかげなんです。

ひろ 逆に「リュウジさんすげえ!」とホメる人ばかりになると、目的を失うことになりません?

リュウ そうなんです。頑張る原動力がなくなっちゃいますね(笑)。だから、僕は何回も炎上しているのかもしれません(笑)。

ひろ アンチが増えるとわかっていても味の素をホメたり(笑)。

リュウ そうですね。そういえば、僕は立ち回り的に「料理界のひろゆき」といわれることがあるんですよ。

ひろ マジすか。似たにおいは感じていましたけど。でも、それってあんまりホメ言葉じゃないですよね(笑)。

リュウ ひろゆきさんみたいに世論とかを気にせずに意見を言うみたいな人たちと、僕は役回りが似ているかもしれない。政治的な発言はしませんけど、味の素みたいに不当に扱われているものがあれば闘いますから。味の素だけでなく、「ラーメンを食っていると死ぬ」みたいに言う人も放っておけない。「ちょっと待ってくださいよ。毎日食わなければ死にませんから」ってコメントしに行ったりしちゃいます。

ひろ そういう人たちにあえてツッコんでいくのは何か理由があるんですか?

リュウ 「リュウジさん、いくら説明してもあの人たちは変わりませんよ」ってけっこう言われるんです。でも、僕はその人自身を変える気なんてさらさらないんです。例えば、ラーメンを食べたら死ぬと思っている人がいる。で、僕みたいに「毎日食わなければ大丈夫」と思っている人もいる。その間には「ラーメンはおいしいと思うけど、週に1回は食べすぎかも」という層がいるんです。僕は、その中間層の人たちのために闘っているんです。

ひろ アンチではなく、アンチとリュウジさんのやりとりを見ている大衆向けに言っているんですね。

リュウ そうなんです。「え? ふたりが言っていることは正反対だけど、この意見ってどうなんだろう」と考えるきっかけになるかもしれない。あと、僕が一方的に言うより、誰かと一緒に話したほうが伝わったり、理解してもらいやすくなると思っています。

ひろ リュウジさんって、人のためには頑張るけど、自分に対してはどうなんですか?

リュウ 正直、自分なんてどーでもいいと思ってます(笑)。

ひろ それは昔から?

リュウ そうですね。やっぱり僕は人のためじゃないと頑張れないんですよ。それって実は僕のレシピにも反映されているんです。自分のこだわりを詰め込むというよりは「みんなが喜ぶものを作る」という考えのもとでやっています。手前味噌ですが、だからこそバズるレシピが多いんですよね。

ひろ なるほど。人は哲学とかこだわりというのを持っちゃうと、無理やりにでもそれを使おうとするじゃないですか。でもそれって大衆にはウケづらい。「自分なんてどうでもいい」と思っているリュウジさんだからこそ、バズレシピが生まれたんですね。

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西村博之(Hiroyuki NISHIMURA 
元『2ちゃんねる管理人。近著に『生か、死か、お金か』(共著、集英社インターナショナル)など 

リュウジ(RYUJI) 
1986年生まれ、千葉県出身。料理研究家。近著に『虚無レシピ』(サンクチュアリ出版)など。公式X【@ore825】、公式Instagram【@ryuji_foodlabo】、公式YouTubeチャンネル『料理研究家リュウジのバズレシピ』

構成/加藤純平(ミドルマン) 撮影/村上庄吾

【写真】リュウジいわく「悪口を書かれると『見返してやる』みたいな 感じで、逆に闘志が燃えるんですよ!」

リュウジいわく「悪口を書かれると『見返してやる』みたいな 感じで、逆に闘志が燃えるんですよ!」