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 イギリスでは、ネット接続するデバイスを使うなら、今までよりちょっとだけ頭を捻らねばならなくなる。“12345”や”password”といった、誰にでも想像できる安易なパスワードが禁止になるからだ。

 これは、2024年4月29日付けで施行された、スマートデバイスのセキュリティ基準に関する新法を受けてのものだ。

 これによってスマホ・テレビ・スマートドアベルなどを扱うメーカーは、サイバー犯罪者からインターネット接続機器を守ることが法的に義務付けられ、製品のユーザーが安易なパスワードを設定しようとした場合、それを変更するように促さねばならなくなった。

【画像】 サイバー犯罪に巻き込まれないようセキュリティを強化

 こうした新たな施策は、ハッカーによる消費者や企業に対する攻撃が止まない現状において、利用者が安心してスマートデバイスを利用できるようにするためのものだ。

 その責任はメーカー側にあって、もしユーザーが安易なパスワードを設定しようとしても、設定できないようにしなければならない。

 またメーカーはバグや問題を報告するための連絡先を公表する義務や、セキュリティ・アップデートの時期について透明性を確保する義務も負うことになる。

 政府にこうした対策を求めてきた消費者団体「Which?」は今回の動きを歓迎しており、同団体のロシオ・コンチャ氏は、次のように述べる。

製品安全基準庁(OPSS)は業界に明確なガイダンスを与え、法律を無視するメーカーに対して厳格な措置を取る準備を進めねばなりません。

またスマートデバイスのメーカーに対しても、初日から適切に行動するよう期待します。デバイスのサポート期間に関する情報をすぐに見つけられるようにするなど、利用者が情報に基づいて買い物できるよう対応してもらいたいですね(ロシオ・コンチャ氏)

 またジョナサンベリー科学技術相は、英国のオンライン環境を世界一安全なものにすると約束する。

日常生活がコネクテッド・デバイスに依存するようになるにつれ、インターネットから生じる脅威はますます増大しています。

個人のプライバシー・データ・お金の安全を守る世界初の法律が今日導入されることで、消費者はデバイスがサイバー犯罪から守られていると安心できるようになるでしょう(ジョナサンベリー科学技術相)

 この法律は、サイバー犯罪に対する英国の守りの強化を目的とした、製品セキュリティ・電気通信インフラ制度の一環として2024年4月29日より施行された。

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性的に露骨なディープフェイクを作成、共有した人に厳罰処分も

 また英国では2024年4月15日性的に露骨なディープフェイク画像の作成を犯罪として定める方針を明らかにし、本人の同意なしに性的に露骨な画像を作成した者は刑事責任を問われ、無制限の罰金が科せられるようになった。

 これは作成者に画像を共有する意図があったかどうかに関係なく適用され、画像が広範に共有された場合は収監される可能性があるという。

References:No more 12345: devices with weak passwords to be banned in UK / UK Becomes World’s First To Ban Weak Passwords Like ‘12345’ / written by hiroching / edited by / parumo

 
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イギリスが「12345」などの安易なパスワードを禁止する最初の国に