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 将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2024」ドラフト会議の模様が4月27日に放送され、新リーダーの中村太地八段(35)は1巡目に佐々木大地七段(28)、2巡目に渡辺和史六段(29)を指名、チームを結成した。フィッシャールール経験も豊富な両名を獲得したことにホッとした表情を見せた中村八段は、「力を合わせて3人で臨めれば」と意気込みを語った。

【映像】藤井竜王・名人の新チームは!?ドラフト会議結果

 これまでは一人のプレーヤーとしてABEMAトーナメントに出場してきた中村八段。「ドラフト会議は今まで放送を見ていた側でしたけれど、ここに入れるんだと思うとわくわくしていました」と胸を躍らせ会議に参加したという。1巡目ではかつて指名を受けた羽生善治九段(53)を選択。「羽生先生には過去の大会で選んでいただいたので、恩返しの意味も込めて」いたというが、3人競合の結果思いは届かず。さらに再選択した佐々木七段は、渡辺明九段(40)と競合したものの、こちらは獲得成功となった。1巡目から二度の抽選を経験することになった中村リーダーは、「まさか2回やることになるとはと思って慌てましたが、すごく緊張感があって良い経験になりました」と振り返った。

 ようやく獲得した佐々木七段は、前回大会で山崎隆之八段が率いたチーム山崎のメンバーとして共に戦った間柄。昨年度は棋聖戦王位戦と2つのタイトルに挑戦するなど公式戦ではもちろん、早指しでも好成績を挙げ続けている人気棋士だ。「前回大会は同じチームメンバーで、非常に心強く引っ張ってくれたので獲得できて良かったなと思っています」とホッとした表情を見せた。

 2巡目指名で獲得となった渡辺六段は、「2つの研究会で教わっていて普段からお世話になっています」。第5回ABEMAトーナメントではチーム渡辺の一員として、さらにABEMA師弟トーナメント2022では師匠の豊川孝弘七段とともにフィッシャールールを経験。いずれも高勝率を叩き出していた頼れる存在だ。「非常に将棋も強いですし、温和な人柄なのでチームメンバーとして非常にありがたい」と獲得を喜んだ。

 自らがリーダーとなり、初参戦する今年のABEMAトーナメント。周りを見渡せば「強そうなチームばかり」と緊張感は隠せない様子だ。中でも優勝経験のあるチーム藤井には、自身が指名した羽生九段がメンバー入り。「藤井竜王・名人と羽生九段というスーパースターが2人揃ったというのは非常に大きなことだと思いますし、ファンの皆様も楽しみにされているチームだと思います。青嶋(未来六段)さんが入っているので、チェスを通したチームとしてまとまりもありそうですよね。チームワークが良くて強そうだなと思います」と警戒していた。

 しかし、すでに結束力があるというチーム中村も、十分上位進出するポテンシャルを持っている。「良い雰囲気でしっかり力を合わせて3人で臨めればと思ってます。まずは予選通過が目標ですね」。着実に歩みを進めるチーム中村に怖いものはない。

ABEMAトーナメント2024 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が7回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士11人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全12チームで行われる。予選リーグは3チームずつ4リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

新リーダー・中村太地八段「力を合わせて3人で臨めれば」フィッシャールール経験豊富な頼れる後輩2人とチーム結成/将棋・ABEMA トーナメント2024