2024年4月29日、韓国・ノーカットニュースは「日韓間の出入国の手続きを大幅に簡素化し、欧州のようにパスポートなしで往来できるようにしようとの意見が出た」と伝えた。

記事によると、韓国外交部高官は26日、集まった記者に対し、「来年の日韓国交正常化60周年をきっかけに全般的な交流協力関係を構築したい」とした上で「日韓版シェンゲン協定」を提案した。

シェンゲン協定は、現在欧州の29カ国が加盟中の協定で、加入国間の移動を楽にするため出入国審査を免除している。記事は「日韓間でも施行されれば、域内交流の活性化に大きく貢献するとみられる」としている。

同高官は「世論調査の結果、韓国に親しみを抱く日本人の数は過去最多を記録し、韓国人の日本への好感度も上がっている」とし、「互いにメリットを持てる関係にアップグレードする必要がある」と強調。「羽田空港まで2時間かけて行って空港を出るのに1時間かかる、金浦空港に到着して空港を出るのに1時間以上かかる現在の状況を防ごうということ」とし、「日本国内からも共感の声が非常に多い」と説明したという。

この記事を見た韓国のネットユーザーからは「近くて遠い国の日本と、今後は未来に向かって協力していく良い隣国になれたらいいな」と肯定的な声も上がっているが、「反対。理由は、現在もそんなに不便を感じないから。他国に移動するのに、その国の身分証明書と申告手続きくらいは必要だよ。それに、どんな人が行き来したのか、入国手続きを通じて管理する必要がある」「なんの意図があるのだろう?今でも十分、日本に行くのは楽だし自由」「そのうち合併の話が出るのでは?守るべきところはきっちり守ろう。韓国と日本の関係は良くなりつつあるけど、まだそこまでできるほどではない」など否定的な声が数多く上がっている。

そのほか、「訪日韓国人観光客の数は訪韓日本人観光客の3倍。日本が損することはないから共感の声が多いのでは」「日本は地震や火山噴火のリスクが常にある。だから簡単かつ迅速に移動できる海外の拠点が必要なのだろう」との声も見られた。

また、10日に投票が行われた総選挙で当選した野党「共に民主党」のキム・ジュンヒョク氏は自身のSNSで「この案が実現した場合、日本人はパスポートがなくても身分証だけで韓国に入国できるようになる」とし、「日本人に独島(竹島の韓国名)を開放するつもりか」と批判した。

韓国外交部は同高官の発言について「個人的な構想を話しただけで、日韓間で具体的な議論は行われていない」との立場を示したという。(翻訳・編集/堂本)

29日、韓国・ノーカットニュースは「日韓間の出入国の手続きを大幅に簡素化し、欧州のようにパスポートなしで往来できるようにしようとの意見が出た」と伝えた。写真は日本のパスポート。