突然出てきてびっくりすることも多い「鼻血」。鼻をつまんだり、ティッシュを詰めたりと、その場で“何となく”対処している人もいると思いますが、「これで合ってるの?」「間違ってるかも…」と不安になったことはありませんか。そこで、鼻血が出る原因や適切な対処法について、耳鼻科医の瀬尾達さんに教えていただきました。

ほとんどが「キーゼルバッハ」からの出血

Q.そもそも、鼻血はどうして出てくるのですか。

瀬尾さん「鼻の中には、指でも簡単に触れるような手前の部分に、血管が多く集まる『キーゼルバッハ』という部位があります。この部位を傷つけてしまったり、鼻の粘膜が炎症していたり、乾燥していたりすると出血を起こしやすくなるのです。『鼻血』として起こるもののほとんどが、このキーゼルバッハ部位からの出血といわれています。

他の要因としては、腎臓病・肝臓病などの病菌、もしくはアレルギー体質の人で、少しの刺激でも出血が起こす人もいます」

Q.鼻血が出てしまったときの適切な対処法を教えてください。

瀬尾さん「まずは、少し頭をうつむかせ、鼻の両側をつぶすような形で押さえましょう。キーゼルバッハ部位は鼻の入り口付近にあるため、だいたい鼻の下側、3分の1程度を目安にするとよいと思います。なるべく頭は動かさず、そのまま10~15分程度押さえ続けましょう。何度も『止まったかな? 大丈夫かな?』と確認しようとすると、なかなか止血効果が得られないため、できるだけ長く押さえ続けることが重要です」

Q.反対に、「これはやってはダメ!」という“NG対処法”はありますか。

瀬尾さん「血が流れてくるのを抑えるために、ティッシュや脱脂綿などをすぐに鼻に入れる人も多いかもしれませんが、『鼻血を止める』という意味ではあまり効果がありません。周りを汚さないための応急処置として鼻に詰めておくのは構いませんが、止血効果を求めるのであれば、キーゼルバッハ部位に届くよう、長めに詰めるようにしてから小鼻を圧迫させましょう。

また、頭を上に向けている人もいるかもしれませんが、血が喉に流れ込んでしまい、気分が悪くなったり、血圧が低下したりすることもあるので避けましょう」

* * *

 いきなり鼻血が出てきてしまうとびっくりしますよね。もし、対処後5~10分程度たっても鼻血が止まらないようであれば、救急などに連絡して病院で診てもらった方がよいのだそうです。いざというときのために、ぜひ参考にしてくださいね。

オトナンサー編集部

鼻血が出たとき、どうしてる?