復元完了から半世紀経っての快挙!

世界三大記念艦のひとつ

神奈川県横須賀市にある記念艦「三笠」の来場者が、このたび累計1000万人に達したと、公益財団法人 三笠保存会が発表しました。

「三笠」は今から120年ほど前に、イギリスのヴィッカース社で建造された旧日本海軍の戦艦です。1900年代初頭に起きた日露戦争において、連合艦隊の旗艦として東郷平八郎司令長官らが乗り込み、ロシアのバルチック艦隊に勝利した武勲艦でもあります。

第1次世界大戦後の1923年9月に除籍されると、当初「三笠」は廃艦・解体される予定でしたが、前述したような実績から一転して保存されることになり、1926年以降、現在のような形で展示されるようになりました。

1945年8月の太平洋戦争終結直後は荒廃が進んだものの、関係者の尽力で復元され、1961年には往時の姿を取り戻します。以後は、記念艦「三笠」として周囲の三笠公園とともに維持されてきました。

今回、到達した1000万人というのは1961年の復元完了からの累計だそうで、2024年5月1日に三浦半島周遊の折に立ち寄った東京都在住の男性によって達成したそうです。

三笠保存会によると、1961年以降、東日本大震災や新型コロナウイルス感染症の世界的流行(パンデミック)などといった災難に見舞われることもあったものの、それでも年平均で約16万人もの来艦者によって、この数字を達成することができたとのこと。

なお、「三笠」は現存する世界最古の鋼鉄戦艦であり、かつ現存する唯一の前弩級戦艦です。また三笠保存会では、イギリスの「ヴィクトリー」、アメリカの「コンスティチューション」、そして「三笠」の3隻を世界の三大記念艦として紹介しています。

神奈川県横須賀市の三笠公園で保存・展示される記念艦「三笠」(画像:写真AC)。