大事件ばかりがニュースではない。身近で巻起こった仰天ニュースを厳選、今回は「ゴールデンウイーク」にまつわる記事に注目し反響の大きかったトップ10を発表する。観光地などにお出かけで、コンビニのトイレを借りることもあるかもしれません。そんなとき思い出してほしい第3位の記事はこちら!(集計期間は2018年1月~2023年12月まで。初公開 記事は取材時の状況)
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 コンビニは生活に欠かせない存在だ。24時間営業の店も多い。筆者は長年、コンビニでアルバイトをしてきた。現在でも店長と仲がいいし、友人も大勢働いている。この仕事をやっていると、不思議な人たちにたくさん出会う。今回は店内のトイレにまつわる話だ。中には故意に小便で汚したり、トイレ以外の場所で脱糞したりする迷惑な客も……。

◆家にトイレはないのか? 24時間トイレを借りる不思議な人たち

 以前、公園近くの店で働いている時、野暮な雰囲気の20代の男性客がいたのだが、その行動が不思議でならなかった。1時間おきに店のトイレを借りにくるのだ。使用後買い物することもあるが、そのまま帰ることがほとんど。

 男は無職なのか、どの時間にもやってくる。筆者が夜勤の時も2時間毎にきて、トイレ、立ち読みを繰り返す。商品を買ってくれるならばいいが、トイレばかりなのだ。

 家にトイレはないのだろうか、と思う。しかし、彼の父親も店にくることがあるが、トイレを使用したことはないので、家にはあるはずだ。なぜ店のトイレばかり使うのか意味がわからない

 トイレを借りることは一向に構わないが、問題はトイレを汚すことだ。店長が見張って、男が使った後に入ってみると、小便が飛び散っている。すぐに追っかけて注意すると謝ったが、その翌日からまたいつものペースでトイレを使う。結局、再び汚したタイミングで「もう来るな」と出入り禁止にしたのだった。

 みんなが使うトイレを平気で汚し、それを毎回スタッフが掃除しなければならないのだから仕方ない。

 筆者が駅前の店で働いている時も、不可解な行動をする30歳前後の女がいた。ベテランの店員によると、彼女は6~7年前から店に通っているそうだ。時おりたくさんの商品を買ってくれるのはありがたいが、彼女も一日中トイレを借りにくる。中で大便をしているのか、30分は籠っているのだ。

 とはいえ、3回に一度はきちんと買い物をするし、態度も普通。迷惑をかけるわけではないので、現在でも店に通っているらしい。

◆トイレに駆け込むが使用中、20代OLがスカートの下から…

 7月7日の京都新聞によると、コンビニ店内で故意に脱糞した住所不定無職の男(39歳)が、威力業務妨害の疑いで逮捕されたとのこと。男は「やりました」と容疑を認めているそうだ。今回の報道を目にして、あ、筆者も二回、経験あるぞ、と思った。

 一度目は夜11時過ぎのこと。その時は二人体制で、客も大勢いた。客が少し引くと、相棒のバイトが「なんか臭くないですかね?」と言う。確かに便の匂いがする。

 下水が逆流したのか、何かおかしいと思い店内を見渡すと、床に少量の大便がポツンと置かれていた。こっちは全く意味がわからない。ビデオをチェックすると、そこには白いスカートを穿いた20代らしきOLの姿があった。

 彼女は店に入るなりトイレに向かうが、誰かが入っているようだった。そして、店内で少し屈んだかと思うと、白いスカートの下から茶色い物体が出るのを確認。女は、もちろん何も買わずに店を出た。

 店員は誰もこの女性を見たことがなかった。当たり前だが、その後二度と来ることはなかったのである。

 おそらく、急に激しい便意が襲い掛かってきて、限界の状態でコンビニに駆け込んだが、あいにくにもトイレは使用中だった。まさに万事休す。その結果……ということだろう。彼女の心中は察するが、掃除するスタッフは絶望的な気持ちになる。

◆態度の悪い客がついに店内で脱糞…出入り禁止

 客に40歳ぐらいの岡本(仮名)という男がいた。昼間から酒で酔っているし、態度も悪かった。ことあるごとに若い店員に突っかかってくるので、店長は出入り禁止にするチャンスをうかがっていた。

 ある日、筆者が店に行くと店長とバイトの青木君がバックヤードで防犯カメラの映像を見ていた。店長が言う。

「浜さん、アイツやらかしたよ、ヤバいのを。見てみな、これ」

 ビデオをのぞいてみると、時刻は夜中1時30分頃。客はいない状態で、青木君がレジのところでコーヒーマシンなどの清掃をしていた。バックヤードにいた店長は呑気にもテレビを見ている。すると岡本が店に入ってきて、雑誌コーナーで立ち読みを始めた。

 他の客は誰もいない。すると突然、岡本はしゃがんでズボンとパンツを一気に脱ぐと、なんと脱糞……!

 そして、そそくさと店を出ていった。青木君は、岡本の行動にまったく気がついていなかった。

 10分後、常連のサラリーマン男性客が入ってきた。おそらくタクシーで帰宅後に寄ったのだろう。普段から感じの良い方だ。雑誌コーナーに向かう。しかし不運なことに、岡本が残していった足元の大便に気がつかず、思い切り踏んづけてしまったのだ。

 さぞ驚いたことだろう。男性客は青木君のところにやってきて報告した。岡本はとんでもないことをやってくれたものだ。

 優しい人だったから大事にはならなかったものの、場合によっては店の評判まで大きく落ちてしまうところだった。

 数日後の夕方、何食わぬ顔で岡本は店にやってきて立ち読みを始めた。当然、店長が烈火のごとく叱りつけ、出入り禁止にさせた。ただ、どういうつもりなのか、この男はそれから2回も平気で店にやってきた。もちろん追い払うが、よくわからない客もいるものだと、つくづく思う。

<取材・文/浜カツトシ>

外出中に便意をもよおしたとき、コンビニでトイレを借りる人も多いと思うが…(画像はイメージです)