「崩壊スターレイル」が4月26日でリリースされて1周年を迎えます。1周年のお祝いとしてさまざまなイベントが提供されていますが、それ以上に目立っているのがこのキャラクター、アベンチュリン。anan増刊号の表紙になったり原宿をポスタージャックしたりと、1周年の看板になっているのではなかろうかという露出ぶり。このアベンチュリンという男性、一体何者なのでしょうか。

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 女性向けゲームではないこの手のRPGで男性キャラクターがこれほど前面に押し出されるのは珍しい気がします。せっかくなのでKindle版を買ってみましたが、気合の入ったインタビュー記事とともに、記事の最後が「アベンチュリンがエスコート(ハートマーク) ピノコニーで夢のような一日を」というシチュエーションが掲載されていました。なお、ゲーム中にそんなシーンはまったくありません。

 そもそもの説明になりますが、崩壊スターレイルmiHoYoによって開発・運営される基本プレイ無料RPGです。プレイヤーは星を巡る「星穹列車」に乗り、銀河を旅します。システムとしては正統派コマンドRPGというところでしょうか。

 ストーリーを進めるごとに現れるキャラクターたちが仲間になっていくのであれば普通のRPGですが、ここは基本無料型のゲーム。皆さんのご想像通り、ガチャから排出されるキャラクターを仲間に加えてゲームを進めます。もちろん、デフォルトでも数名の仲間は存在しています。

 現在、星を巡る冒険は「夢の中で遊べる」が売りの銀河随一の娯楽世界・ピノコニーに至っており、そんなうたい文句に反した不穏な雰囲気のストーリーが展開されている真っ最中。そこで主人公たちにある目的を持って接触してくるのがアベンチュリンという男です。彼はピノコニーに隠されたある秘密を暴くため、主人公たちを利用しようとするのですが、そんな彼の物語が語られるのが最新章となっています。

 「崩壊スターレイル」は定期的にバージョンアップを繰り返し、バージョンごとに物語が更新されていきます。現在のピノコニーであればVer2.0から2.Xまで、何バージョンか更新を繰り返して物語が進んでいくのですが、最新のVer2.1に当たるメインストーリーはかなりの部分がアベンチュリンの物語に費やされています。

 彼がどのような身分からはいあがり、どのような代償を払って今の地位を築いたのか。そして彼が主人公たちとどのように相対するか。あるキャラのストーリーをクエストとして用意するとか、イベントが実質そのキャラの物語だったという作品はいくつか見たことがあるのですが、こういう形で個人にフォーカスしてるものは珍しいのではないでしょうか。

 そんなメインストーリーが実装されたのが3月末で、アベンチュリンのガチャが開催されたのが4月17日。先にも書いたように、ゲーム以外にもアベンチュリンの話題は雑誌や街頭掲示に限らず、SNSで大量に流れている状態です。その情報が気になり、今から彼を目当てにゲームをプレイしたい、という方もいるのではないでしょうか。アベンチュリンはまさに現在ピックアップ中でガチャから排出されています。ガチャの開催期間は5月7日16時までとなっているため、ギリギリではありますがまだ入手は可能です。

 では、今から「崩壊スターレイル」をはじめて楽しめるのでしょうか? 実は筆者は去年(2023年)のゴールデンウイークごろ、リリース直後の本作をはじめてすぐに投げ出してしまったのですが、最近復帰したところです。現在Dr.レイシオという限定キャラが無料で配布されており「限定キャラがただでもらえるなら……」と再開しました。ただ、その強いキャラクターを入れるだけでは先に進むのは難しいというか面倒くさいのです。とくに序盤、オート戦闘が解放されるまでが大変でしたが、そこさえ乗りこえてしまえばだいぶ楽になりました。

 また、この手のゲームのお約束として周回要素があるのですが、1回クリアした周回用の戦闘はフレンドの力を借りることであっという間に処理できます。ということで、フレンドさえいれば1度クリアするだけで周回は非常に簡単に。このDr.レイシオというキャラはアベンチュリンの物語でも相棒として登場するのですが、性能的にも相性がよいという粋なはからい。配布されているDr.レイシオを使い、ゲームを進めて石を集め、アベンチュリンを引く。これでかなり楽にゲームを始められると思います。

 ちなみにアベンチュリンはパーティにバリアを張って守るタイプのキャラクターなのですが、防御力を上げるほどバリアが固くなり、同時に必殺技が強くなるためちょっとしたサブアタッカーもできたりする便利なキャラクターです。

 アベンチュリンが登場するまでのストーリーについてですが、その過程もなかなか楽しめるものでした。ただし、チュートリアルから始まる序章は情報量があまりに多く、素直に全部読んで理解しようとすると混乱すること請け合い。登場人物たちの話は聞き流すぐらいで問題ないと思います。

 序章の舞台になる宇宙ステーションを旅立った後、最初の惑星からが本番です。そこからは話も理解しやすく、楽しめるものになっていくことでしょう。プレイを進めるとメインストーリーだけではなくそれ以外のストーリーも解放されていくので、ストーリーを進めることでキャラクターの育成も進み、ガチャを回すためのアイテムも入手できると思います。

 ただ、ストーリーの実装順が解放された時点では分かりづらいところがあります。そのため、今プレイしたシナリオで仲良くなった人が次に選んだシナリオで初対面になったり、番外編のようなシナリオのためにある人に話を聞きに行こうとしたらその人に話しかけたことでメインシナリオが進んでしまった、などということが発生します。

 私はメインシナリオで「久しぶりだね」と話しかけてきたキャラクターが誰かまったく分からず、後からプレイした別のシナリオでその人が初登場だったことを知りました。しかもそのシナリオでアベンチュリンが声と名前だけでてくるので、「ああ、あそこで出てきたこの男がようやく出てきたのか!」という気分が味わえなかったという。

 また、現在継続してプレイできている理由に、いわゆる日課の類が大変少ないところがあります。キャラクターのレベル上げやスキルレベルの上昇に使うアイテムは1回クリアしておけば先に書いたようにフレンドを使って自動で可能。デイリークエストもあるにはあるのですが、無理してやる必要はありません。決まった曜日でないと手に入れられないアイテムというものも存在しておらず、ゲームに縛られている感が大変薄いのが好印象です。

 キャラクターを育成して強敵に挑むコンテンツも存在しているため、ガッツリやり込みたいときはそちらに手を出すのもよいでしょう。そんな状態のため、シナリオを一通り読んだ後も休止することなくプレイ継続が容易だったりします。この手のゲームによくある「最新章で実装されたキャラクターの育成素材は最新章へいかないと手に入りません」ということがなく、すぐに育成素材にアクセスできます。

 ゴールデンウィークも後半戦となりましたが、時間に余裕があるという方はぜひプレイしてみてはいかがでしょうか。

(文:怪しい隣人)

アベンチュリン、戦闘中のスキルカットインシーン