5月3日午後9時から、日本テレビ系金曜ロードショー」にてスタジオジブリの「猫の恩返し」が本編ノーカットで放送されます。

同作は、柊あおい氏による漫画「バロン 猫の男爵」を原作にした「耳をすませば」のスピンオフ的作品。猫になってしまった女子高生・ハルの冒険が描かれるファンタジー作品です。2002年に劇場公開され、興行収入64.6億円の大ヒット。その年の国内興行で邦画ナンバーワンを記録しました。

同作のあらすじ、主な出演声優のリストとあわせて、姉妹作と言える「耳をすませば」との関係、役名なしで声の出演をしている大泉洋さん、安田顕さんの役どころにについて紹介します。

【あらすじ】
女子高生のハルは、車にひかれそうになっていた猫の国の王子ルーンを助けたことから、その恩返しとして猫の国に招待される。気楽な猫の世界にすっかり魅了され、「このまま猫になるのもいいかも」と思ったハルは、ルーンの妃候補にされ、猫の姿に変化させられてしまう。このままでは人間の世界に戻れないとあわてたハルは、猫の男爵バロンの助けを借り、元の姿に戻るため奮闘する。

【主な声の出演】

主人公・ハル役の声を務めたのは池脇千鶴さん。同作公開前年の2001年にNHK連続テレビ小説「ほんまもん」に出演して話題を集めていた池脇さんは、公開当時のインタビューで、ハルは「何のへんてつもない女の子」だと森田宏幸監督から説明をうけ、「耳をすませば」の月島雫とはまったく違うタイプではありつつも、かわいらしい愛すべきキャラクターだと思いながら演じたことを語っていました。

猫のバロン役を袴田吉彦さん、バロンの仲間のカラス・トト役を斉藤洋介さん、猫の国の王子ルーン役を山田孝之さんが担当し、猫王役を2006年に亡くなった丹波哲郎さんが演じています。

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●ハル:池脇千鶴

バロン:袴田吉彦

●ユキ:前田亜季

ルーン山田孝之

●ひろみ:佐藤仁美

●ナトリ:佐戸井けん太

●ナトル:濱田マリ

●ムタ:渡辺哲

●トト:斉藤洋介

●ハルの母:岡江久美子

●猫王:丹波哲郎

大泉洋

安田顕

【「耳をすませば」の主人公が描いた物語、イベント用の映像として企画】

猫の恩返し」は、「耳をすませば」の主人公・雫が書いた話という設定の物語です。同作は当初、05年に開催された「愛・地球博」のために、「耳をすませば」に登場したバロンとムーンが出てくる20分ほどのイベント映像として企画がスタートしました。ジブリから依頼をうけた「耳をすませば」原作者の柊あおい氏がストーリーメモを書きおろし、最終的に漫画「バロン 猫の男爵」として発表。基本的に続編はつくらないジブリには珍しく、「耳とすませば」のスピンオフ的な作品になっているのは、もともと映画用ではなかった企画が、イベント映像、ビデオ作品、映画と変化していったからだったようです。
 当時、ジブリ作品に原画として参加していた森田宏幸氏が監督に抜てきされ、初監督を務めました。森田氏はその後、テレビアニメ「ぼくらの」「聖剣学院の魔剣使い」などの監督を手がけています。

【「TEAM NACS」の大泉洋さん、安田顕さんも出演】

役名はクレジットされていませんが、本作には、「TEAM NACS」の大泉洋さんと安田顕さんが声の出演をしています。大泉さんはハルが通う学校の教師役、安田さんはハルのクラスメイト役を担当。おふたりと縁の深い鈴井貴之さんも、猫の国のシェフ役として声の出演をしました。
 大泉さんは、現在公開中の「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」でゲスト声優を担当し、北海道警捜査一課の刑事・川添善久役を好演しています。

参考文献:「スタジオジブリ物語」(鈴木敏夫・責任編集/集英社新書)、「ロマンアルバム『猫の恩返し』」(徳間書店刊)

番組終わりには、公開中の「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」本編冒頭の10分も放送される (C) 2002 Aoi Hiiragi/Reiko Yoshida/Studio Ghibli, NDHMT