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 スコットランドエディンバラに面したフォース湾。そこにインチコルム島という小さな島がある。最近この島の傍らにあるスワロー・クレイグという岩礁に、「ノーム」の人形が置かれるようになったという。

 ノームは小人で長いひげを生やした老人のような風貌だが、大地を司る妖精(精霊)だ。これらのノームたちがどこから来たのか、いったい何の目的で置かれているのか、詳しいことは謎に包まれているという。

【画像】 突然岩礁に現れたノームたちにまつわる都市伝説

Welcome to 'Gnome Island' - remote outcrop covered with garden ornaments | SWNS

 この島に最初にノームたちが現れたのは、2010年頃のことだという。

 謎に満ちたノームたちは、いったいどこからやって来たのか。現地では諸説が乱れ飛んでいるらしい。

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 単に地元の漁師たちによって置かれていったという噂もあるが、都市伝説めいた噂も次々とあがっている。そのいくつかを紹介すると…

・地元のガーデンセンターを逃げ出したノームたちが、夜陰に紛れてフォース湾に逃げてきた
・この海域で難破したノームたちがこの岩礁にたどり着き、14年間過ごしてきた
・自由を求めてこの島に逃れてきたノームたちがコロニーを作った

ノームたちが自分でやって来た」説が大半なあたり、妖精や精霊の存在が身近なスコットランドなだけはある。お隣のアイルランドも妖精信仰が今も盛んだが。

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少しずつ増えていくノームたち

 岩礁に置かれたノームの数は、さりげなく増え続けているらしい。そしていつしかこの岩礁は、「インチノーム島」と呼ばれるようになった。

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image credit:X

 フォース湾をめぐる観光クルーズ船「メイド・オブ・ザ・フォース」号の船長を務めるスコット・アストン氏は、この島の近くを通りかかるたびに、お客さんたちから「あれってノーム?」と訊かれるんだそう。

[もっと知りたい!→]心霊の夏。ホラーな庭。ゾンビ化したノームが大切な庭を守り抜く、そんなガーデン用置物【閲覧注意】

 彼は18年にわたって、イースターから10月までの間毎日クルーズ船を運航しているのだが、そんな彼にもインチノーム島のノームの謎は解けないようだ。

ノームたちがどうやってここに来たのか、なぜここにいるのか、誰にもわからないんだ。でもやつらは毎年冬になると、数が増えているように見えるんだよな

 メイド・オブ・ザ・フォース号から眺めるインチコルム島

 インチノーム島の位置はここ。黄色い四角で囲んだあたりだ。本当に小さい岩礁だね。

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ノームとは?

 ところで「ノーム」はファンタジーに出てくる小人ってイメージだけど、本当のところは何なんだろう?

ノームは英語では「Gnome」と綴られ、ときにグノーメとも呼ばれることも。地・水・風・火を司る四大精霊のうち、大地を司る精霊である。

サイズは小さな小人だが、その風貌は長いひげを生やした老人のようで、独特の三角帽子とカラフルな衣装を身に着けているのが特徴だ。

手先が器用で、細工物を作ったり庭いじりが得意と言われることも。ゴブリンドワーフとも、近い関係にあるらしい。

 結局インチノーム島のノームたちがどこから来たのかは、今のところ謎のままだ。

 もちろん誰か置いた人がいるに違いないんだろうけど、もしかするとこれからこの地に伝わっていくかもしれない「言い伝え」の発生する過程を、我々は目の当たりにしているのかもしれない。

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image credit:photoAC

References:Welcome to ’Gnome Island’ a Remote Scottish Outcrop Adorned With Mysterious Garden Ornaments – LOOK / written by ruichan/ edited by parumo

 
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スコットランドの小さい島に次々と現れる精霊ノーム人形の謎