山川がソフトバンクで存在感を放っている(C)産経新聞社

 昨季から今季にかけて、山川穂高の周囲は何かと騒がしい出来事が続いた。

 WBC優勝メンバーに名を連ねるも、シーズン開幕後に自らの不祥事が発覚。そして無期限出場停止処分。オフに熟考の末FA権を行使し、西武からソフトバンクへ移籍。現在は福岡の地で新たな野球人生を始めている。

 本稿では、山川の開幕1か月を振り返ってみたい。

【動画】エグすぎる!ソフトバンク・山川が古巣の西武戦で満塁弾を放ったシーン

■4月終了時点で打撃二冠

 まずは数字の面から見ていこう。

 4月が終わった時点で、6本塁打&29打点はリーグトップ。ここまでは期待に違わぬ成績を残している。また、全26試合で4番打者として出場しているのも評価に値する。半年以上1軍の試合に出ていなかったブランクが懸念されるも、持ち前の高い打撃技術で一蹴したと見て良さそうだ。

 早くもチームは2桁の貯金をつくり、独走体制を固め始めた。その要因の一つに山川の存在は確実に挙げられるだろう。前後を打つ柳田悠岐近藤健介とのクリーンアップトリオも板についてきた。

■古巣を相手に2打席連続満塁弾

 今季の山川を語る上で避けて通れないのが、古巣・西武とのマッチアップだ。

 4月12日、敵地・ベルーナドームで初対決。打席に立つたびに相手ファンの大ブーイングを浴び、空振りやアウトになろうものなら大歓声が注がれる。異様な雰囲気で行われたゲームで山川は1安打を記録。彼の人的補償で西武入りした甲斐野央との対戦は空振り三振に終わった。

 圧巻は翌13日のゲーム。NPB史上2人目となる「2打席連続満塁ホームラン」の離れ業をやってのけた。1本目は6回、3点リードで水上由伸から左中間にズドン。2本目は7点リードから再びレフトスタンドへぶち込んだ。

 さすがに生還後の「どすこい」パフォーマンスには、ブーイングが起こるなどの賛否があったものの、自らのバットで存在感を誇示したのは事実。古巣を相手に強烈なパンチをお見舞いした。

■今後は球宴&プレミア12のメンバー入りに注目

 気が早い話だが、今現在のペースで山川が打ち続けると、シーズン終了時には30本塁打、140打点を超える計算となる。2年ぶりのタイトル奪取も現実的だ。

 今後の展開で考えられるのは、オールスターへの選出と侍ジャパンへの復帰について。前者はファン投票でなくとも、選手間投票や監督推薦では無視できないのではないか。もし選出されたとして、スタンドはどういう雰囲気になるのか、所属球団以外のファンに素直に歓迎されるのか気になるところである。

 後者の侍ジャパンについては、秋にプレミア12を控えている。同大会は基本国内組でメンバー選出を行うため、山川が一塁/DHの有力候補になってもおかしくない。本人が打ち続けるのはもちろん、代表首脳陣の判断に注目が集まりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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