AMDが発表した2024年第1四半期の決算概要によると、売上高は前年同期比2%増、前四半期比11%減の54億7300万ドル、営業利益は3600万ドルとなったという。

各部門別に概況をみると、データセンター部門の売上高はAMD Instinct GPUと第4世代EPYC CPUの両方が伸びたことで前年同期比80%増の約23億ドルとなった。中でもInstinctシリーズが四半期全体を通じて伸びたことにより、サーバCPUの季節的な売上高の減少を部分的に相殺することが大きなけん引役となった。

もう1つの柱の事業であるクライアント部門の売上高はRyzen 8000シリーズが伸びたこともあり同85%増の約14億ドルを記録した。ゲーム部門の売上高は、セミカスタム製品からの収益減とRadeon GPUの売上減少により、同48%減の9億2200万ドルにとどまった。組み込み部門の売上高は、顧客が在庫レベル管理を継続していたため同46%減の8億4600万ドルにとどまった。

総合的にはデータセンタークライアント部門が大きく伸びた一方、ゲームと組み込みが減速したことで、総合的な売上高の伸びは前年同期比で2%増にとどまったという。

AMDのCEOであるリサ・スー氏は、「MI300 AIアクセラレータの出荷増と、RyzenおよびEPYCプロセッサの採用拡大により、データセンタークライアント部門が大きく成長し、好調な四半期業績を達成した。AIの広範な展開により、幅広い市場でより多くのコンピューティングに対する需要が高まっているため、現在の業界は非常にエキサイティングな時期を迎えている。こうした市場背景を踏まえ、データセンタービジネスを強化し、製品ポートフォリオ全体でAI機能を有効にすることで今後も成長を続けていく」と述べている。

同社が提示した第2四半期の売上高見通し(ガイダンス)はゲーム関連が低調に推移することから前四半期比4%増の約57億ドル±3億ドルとしているが、AIアクセラレータ分野の需要押し上げ効果を期待するとしており、AIアクセラレータの最新製品である「Instinct MI300シリーズ」を年間で最大35億ドル売り上げる計画を立てているという。

なお、先んじて決算発表を行ったIntelは、2024年上期は需要低迷が続くとして軟調な見通しを示している。
(服部毅)

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