東京チカラめし

2013年には全国130店舗を展開し、飛ぶ鳥を落とす勢いで拡大した“焼き牛丼”チェーン「東京チカラめし」。その新店が東京・九段下に7日、オープンした。開店当日、記者が現場で見たのはかつてない光景で…。

 
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■急拡大、急成長も…

東京チカラめし

2011年、東京・池袋に1号店がオープンすると、これまで他牛丼チェーンには無かったジューシーな味わいが話題を呼び、瞬く間に店舗を増やしていった「東京チカラめし」。

しかし、そのつど肉を焼く回転数の悪さや、急拡大による調理スタッフの人手不足などの原因から、次第に店舗数は減少。さらには新型コロナウイルス蔓延の影響で東京最後の店舗だった新宿西口店が2022年8月に閉店した。

その後、2023年11月には東日本最後の店舗であった千葉・新鎌ヶ谷店が閉店となり、残すは大阪・日本橋店のみとなっていた。

 

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■めちゃくちゃお堅い場所に

東京チカラめし

だが、十勝帯広豚丼を思わせる甘辛いタレと、焼きたてスモーキーな牛肉の味を忘れられないファンは現在も多い。

そんな中、突如舞い込んだのが「『東京チカラめし』が九段第2合同庁舎内に5月7日オープン」という、感涙もののニュースだったのだ。

場所は、地下鉄九段下駅神保町駅から徒歩5分の場所にある「九段第2合同庁舎」。東京法務局などが入る堅いお役所ビルである。

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■一般人でも入れる

東京チカラめし

ビルへの出入りは一般人でも自由ということで、記者はオープン当日に同所へ向かった。「司法書士試験受付」という、記者とは無縁の案内を横目に見つつ、地下へ降りると150人ほどが座れる巨大な食堂があった。

職員や来訪者が自由に使えるTHE食堂といった空間で、入口券売機でチケットを買い、お盆を持って厨房カウンター前に並ぶ。

東京チカラめし

気になる値段は、「焼き牛丼」680円、「キムチ焼き牛丼」850円、そして味噌汁120円(直接カウンターで注文)と、かつての同店メニューとくらべると強気な値付け。大阪に残る最後の店舗が味噌汁付きで焼き牛丼500円なので、だいぶ高い印象。

ちなみにチカラめし名物だった「卓上ガリ」は無し。代わりなのか、カレー用の福神漬けは取り放題になっていた。ううう…ガリよ。

 

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■それでも全然良い

東京チカラめし

しかし、文句を言うことなかれ。この値段は「思い出の味との再会」のためと考えるほうがいい。どんな形であれ復活が何より嬉しいのだ。

テーブルに運んで一口。牛脂はこってりすぎず適度な量で、甘辛なタレが白米にもじつにマッチする。具材は牛肉だけとシンプルだが、ジューシーさもありウマい。ちょっとだけ量は少なめにも感じた。

東京チカラめし

食べ終わり周囲を眺めていると、オープンを聞きつけた同ビルのサラリーマンたちが次々カウンターに並んでおり、初日から注目を集めているようだ。

ここがブランド復活の第一章となることを祈りつつ、記者は足早にビルを出た。

復活した「東京チカラめし」は何か変だ… 約150人の客席、ガリなし、そして値段に変化も