地雷を除去し突撃を支援か?

装甲強化で「亀」からハリネズミに?

ロシアが戦場に投入した車体正面以外を装甲で覆った「亀戦車」と呼ばれる車両の新タイプが出現したと2024年5月6日ウクライナの国内メディアなどが報じました。

「亀戦車」は元々、2024年4月にウクライナ軍が公開した映像に映っていた車両です。T-72もしくはT-90と思われる車体の大部分を追加装甲で覆い、自爆ドローン対策を施していました。

今回確認された新仕様の車両はT-72をベースとしており、屋根の部分にあたる装甲が追加の網や金属板で補強されています。これは、自爆ドローンだけではなく、歩兵携行型の対戦車兵器などの対策と考えられます。また、自爆ドローンが装甲の隙間に入って攻撃されるのを防ぐように、チェーンや金網などが追加で装備されているようです。その若干トゲトゲしたフォルムは亀ではなく、ヤマアラシハリネズミのようにも見えます。

車体のフロント部分には、地雷除去用のマインローラーが付けられています。以前にも、ローラーを装備した亀戦車が確認されていますが、用途としては、ドローンなどの攻撃を追加装甲でしのぎつつ、地雷を除去し、後続車両や兵員の移動を支援する目的があると予想されています。

なお、装甲が強化され、自爆ドローンに対してはかなり防御力を持った同車両ですが、「ジャベリン」など、先駆弾頭が外付けの装甲を破壊し主弾頭が標的の装甲を貫通する「タンデム弾頭」を有する兵器には対応していない可能性が高いようです。

戦車砲を撃つT-72(画像:ロシア国防省)。