文末が「。」だと威圧感があるか?──マーケティング支援事業を手掛けるフォーイット(東京都渋谷区)は5月8日、「マルハラ」と呼ばれる現象に関する調査結果を発表した。全国の20~60代の男女500人を対象に、Webアンケートを実施。「先輩や目上の人からのメッセージで、文末が『。』で終わる文章を受け取ったときどう感じるか?」などを聞いた。

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 マルハラとは「マルハラスメント」の略称。LINEなどで中高年から受け取ったメッセージの文末が句点だと、若者は距離感や冷たさを感じて恐怖を抱くというもの。2月上旬に、産経新聞などがこの言葉を報じ、ネット上で議論になっていた。産経新聞の記事では、23歳女性から「読みやすくするための句点でルールだと理解しているが、区切られてシャットダウンされている印象がある。会話が続けにくい」などの意見が上がったという。

 調査では、句点終わりの文章に対してどのように感じるかに対して「丁寧さ」「威圧感」「距離感」「怒っている」「あまり気にしたことはない」の5つの選択肢を用意。複数回答可としたが、「あまり気にしたことはない」を選択した場合は単一回答としている。

 調査の結果、回答数が最も多かったのは「あまり気にしたことはない」で64.8%を占めた。次点では「丁寧さ」が24.6%が入り、以降は「威圧感」(9.0%)、「距離感」(6.0%)、「怒っている」(3.6%)と続いた。そのため、句点終わりの文章をマルハラだと、ネガティブに受け止めてしまうユーザーが約1割ほどいる結果となった。

 年代別結果では、60代の79.0%が「あまり気にしたことはない」と回答した一方、20代は53.0%、30代は59.0%と若い年代ほどマルハラを気にしている傾向が見られた。感じ方についても「丁寧さ」が全年代で最も多く、若い世代ほど「威圧感」や「距離感」「怒っている」と感じる人が多くなり、世代間でギャップが生じる結果となった。

 この結果について、フォーイットは「現在、企業のコンプライアンスの徹底が図られ、ハラスメントの防止に力を入れている企業も増えつつある。しかし、マルハラの場合はパワハラやセクハラとは違って、言動そのものに問題があるわけではなく、現状では対策が難しいと言わざるを得ないかもしれない。ただ、異なる背景・価値観を持つ人がいることを理解し、お互いに尊重し合うことが必要不可欠だといえるだろう」とまとめている。

文末が「。」だと威圧感がある?