米Appleのティム・クックCEOが5月7日にXで公表した、新型「iPad Pro」のプロモーションビデオが、日本のユーザーから批判を浴びている。

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 動画は、楽器や画材、カメラなどが、巨大なプレス機に挟まれてぐちゃぐちゃに圧砕され、iPad Proに全機能が集約される様子を描いている。

 iPad Proの薄さや、さまざまなクリエイティブツールを代替できることをアピールする狙いだったとみられるが、モノを大切にする文化が強い日本のユーザーから、不快感や失望の声が続々と出ているようだ。

 動画では、巨大なプレス機の間にピアノやトランペット、レコード、絵の具デッサン人形、ギター、ゲーム機、カメラ、本などさまざまなクリエイティブツールが並べられている。

 メトロノームやレコードが動き始め、クリエイティブツールの全体像が映るとすぐに、上部の金属板が下に降りてきてツールを次々に破砕。メトロノームトランペットがゆがみ、ギターやカメラが割れ、絵の具がピアノの上に流れ出すなど凄惨な様子が描かれ、最後に薄いiPadだけが残る。

 クックCEOは新iPadについて「当社で最も薄い製品であり、M4 チップの驚異的なパワーを備えた最も先進的なディスプレイだ。これで制作できるあらゆるものを想像してみて」と動画とともにコメント。この動画は「あらゆるクリエイティブツール薄い本体に集約できる新iPad」を描こうとしたようだ。

 だが、iPadやMacを利用している日本のクリエイターの多くは、楽器やカメラ、絵の具なども愛用しており、モノを大切にする文化がある。この動画を見てAppleに失望した日本のユーザーは多かったようだ。

 「楽器やカメラなど、クリエイティブな道具が壊されていくのを見て悲しくなった」「アナログのクリエイティブを軽んじている」「子どもに見せたくない」など否定的な意見が、主に日本のユーザーから殺到している。