株式会社コーセー(本社:東京都中央区、代表取締役社長:小林 一俊)、アイ・ピース株式会社( I Peace, Inc.、本社:米国パロ・アルト、創設者・CEO:田邊 剛士)、レジュ株式会社(Reju, Inc.、本社:東京都港区、CEO:神谷 友里江)は、お客さま自身のiPS細胞(※1)からの抽出成分「iPSF」を配合したパーソナライズ美容商品(※2)の開発・提供を目指して技術提携することを決定しました。使い心地や感触などを左右する剤型も一人ひとりの感性に合わせて提供することで、お客さまにとって“わたしだけ”の美容商品を叶えます。今後、医療機関を通じて2024年内から技術面・事業面における実証実験を開始します。
(※1) 様々な組織や臓器の細胞に分化し、ほぼ無限に増殖する再生医療への応用が期待されている幹細胞のひとつ
(※2) 本事業の商品は薬機法で定められる化粧品ではなく、医療機関を通して医師の管理の下に提供される美容商品です

  • 技術提携の背景

 今回の技術提携は、化粧品をはじめとした美容事業を担うコーセーと、iPS細胞を活用する事業を担うアイ・ピース、そして「iPSF」(iPS細胞抽出成分)の提供を手掛けるレジュが、多様性が尊重される社会の中で、お客さま一人ひとりに本当に合致した価値を提供したいという想いから合意に至りました。
 コーセーでは、“3G”(Global, Gender, Generation)を軸として、成人女性だけではない新たな顧客づくりに挑戦し、美容の価値をより多くの人に届けるべく取り組んでいます。機能性や使い心地などが異なる千差万別の化粧品づくりやブランドづくりを強みとして、多様なお客さまに化粧品を提供しており、さらに提供価値自体を拡張するため、「Beautyだけではなく、Health・Cure領域も包含したウェルビーイング領域での提供価値」についても技術面・事業面での検討を進めてきました。


 アイ・ピースでは、様々な国の製薬企業や細胞療法開発企業に医療グレードのiPS細胞の提供や個人向けのiPS細胞のバンキング事業などを展開しており、一人ひとりが自分のiPS細胞を保管し、その細胞で病気の治療等ができるようになることを目指しています。同社の技術開発によってiPS細胞の製造コストが従来よりも大幅に低下したことで、個人が自分のiPS細胞を活用できる時代の到来も現実味を帯びてきました。
 レジュでは、アイ・ピースと技術提携をしつつ、iPS細胞の成分を抽出・精製する技術の美容・健康分野への応用を目指しています。その独自技術によって作られたiPS細胞抽出成分「iPSF」に含まれる成長因子や独自成分などが細胞の若返りに関与することを研究・実証してきており、今後様々な分野で活用が期待されています。
 こうした各社のリソースを組み合わせることで、個人に真にパーソナライズされた美容価値の可能性が見出され、今回の技術提携に至りました。

  • 取り組みの概要

 本取り組みの狙いは、お客さまにとって“わたしだけ”の美容商品を提供することです。お客さまは自身の血液などから採取した体細胞からiPS細胞を作製し、そこから抽出された成分を美容商品として享受することができます。iPS細胞は作製過程で細胞の若返りが起きるため、自身の若い時と同様に活性化した細胞を活用できるメリットに加え、自分自身のiPS細胞から得られる「iPSF」は生体適合性が高く、安全性が高いという利点があります。体細胞から個人のiPS細胞を作製し、培養・管理する部分はアイ・ピースが担います。同社が既に個人向けのiPS細胞のバンキング事業で行っている、安全で効率的な作製・管理プロセスが活かされます。美容商品に配合される「iPSF」の製造と提供はアイ・ピースと技術提携をしているレジュが担います。
 また、成分面だけでなく、剤型もお客さまの好みに合わせた商品提供を行います。例えば、みずみずしい使用感を好む方にはジェル剤型、乾燥が気になる方にはクリーム剤型など、製剤で叶えられる付加価値や使い心地、感触といった感性面での満足を提供します。ここはより良い使い心地を追求して、数多くの化粧品を開発してきたコーセーが担います。
 お客さまの体細胞の採取や、「iPSF」と製剤の調剤などは本取り組みに協力する医療機関が担い、2024年内に実証実験を開始します。

  • 提携における各社の役割

コーセー :  一人ひとりの好みに合わせてパーソナライズした製剤の製造・販売
アイ・ピース: お客さま自身のiPS細胞の作製・培養・管理
レジュ:    「iPSF」(iPS細胞抽出成分)の提供

配信元企業:株式会社コーセー

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