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FoD活用で顧客との「つながり」強化

韓国の自動車メーカーであるヒョンデは、販売後も顧客とのつながりを維持する取り組みの一環として、シートヒーターなど一部機能の使用を有料化することを検討している。機能を使用するごとに料金を支払うオン・デマンド機能(FoD)形式となる可能性がある。

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ヒョンデ5月7日、デジタルサービスを専門とする新部門「コネクテッド・モビリティ(Hyundai Connected Mobility)」の設立を発表した。欧州を拠点とし、自動車サブスクリプション(Mocean)とコネクテッド・サービス(Bluelink)を1つ屋根の下にまとめることになる。

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クルマのオン・デマンド機能(FoD)は賛否が分かれるところだ。

コネクテッド・モビリティ部門の責任者を務めるマーカス・ウェルツ氏は、「クルマをよりパーソナライズするために、オン・デマンド機能(FoD)を選択肢として検討している」と述べた。

「何年もの間、わたし達はどうすればより多くの自動車を販売できるかばかり考えていました。今日、わたし達が考えているのは、『自動車を売るだけになったらどうしよう?』ということです」

同部門の活動の鍵となるのは、既存のコネクテッドサービスである「ブルーリンク(Bluelink)」の再構築だ。ブルーリンクは現在、所有者のスマートフォンのアプリから車両のプリコンディショナー、施錠、ナビ設定などの機能を遠隔操作できるようになっている。

欧州ではコネクテッド対応の一部モデル向けにサービスを提供しており、3段階のグレードから選ぶことができる。「ライト」は最初の10年間無料で、マップや一部オンライン・サービスの車内利用が可能だ。「プラス」は月額2.99ユーロ(約500円)で、すべてのリモート・サービスが利用可能。「プロ」は月額9.99ユーロ(約1660円)で、車内決済などの高度なデータ主導型サービスとなっている。

こうした取り組みには、販売後の顧客との距離を縮めようとする狙いがある。冒頭に触れたオン・デマンド機能は、この次のステップとして検討中だ。

コンセプト自体は目新しいものではない。例えば、BMWハードウェア(シートヒーター)とソフトウェア(ハイビームアシスト)の両方の面で、すでに装備されている一部機能の使用を有料としている。しかし、これについては批判も多い。

ヒョンデの目指すところについてウェルツ氏は、「古いクルマに新しい機能を搭載する」ことを視野に入れていると答えた。

「業界でよく目にするのは、例えばシートヒーターのような古いユースケースです。ソフトウェア・アップデートなどの新しいテクノロジーを使ってお客様に提供されます」

「しかし、オン・デマンド機能の利点は、まさにその逆だと思います。古いクルマに新しい機能を提供するのです」

具体的にどのような機能が古いクルマに提供されるのかは明言されなかったが、バッテリー、モーター、パーキングカメラ、センサーといった既存装備のソフトウェアをアップグレードし、性能を向上させる可能性がある。

「実際、ソフトウェアを通して多くの進歩が可能なので、既存のハードウェアを活用することができます。ヒョンデはこうした機能の開発を続け、ユーザー様に提供していきます」


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