任天堂は9日、自社ハード「Nintendo Switch」にて利用可能だった「X(旧Twitter)」との連携・共有機能の提供を6月に終了すると発表した。

【ポスト】任天堂公式が伝えたX連携機能の提供終了について・ベンチャー企業CEOが綴ったXめぐる苦難

今後、Nintendo Switchで撮影したスクリーンショットなどはそのままSwitch上でXに投稿することが出来なくなるといい、一旦スマートフォンに転送して投稿する必要があるほか、「フレンドおすすめ機能」なども終了する。また、ゲーム「スプラトゥーン」シリーズでも一部仕様の変更を見込んでおり、各機能は6月11日(火)9時に終了を予定している。

本件の発表後、ゲームプレイヤーを中心にSNS上では大きな注目を集めており、今回公式より明らかにされていなかった「提供終了に至った理由」について〈XのAPIが高すぎるからじゃないか…〉などと推察する声も多く寄せられていた。

Xとの連携には最大数千万…連携終了に関する推察

X APIとは、X内のデータを外部の開発者や企業が活用するために必要な機能群。契約すると、一定条件下でポスト(旧ツイート)の検索や投稿、いいねなどの操作を外部から行うことができ、任天堂もこの仕組みを活用していたものと見られる。

しかし、X APIをめぐっては昨年、実業家・イーロン・マスク氏による一連のサービス改革により大幅な制度変更が行われ、これまで無料で使用可能だった機能のほとんどが有料化。全部で4プランが用意され、そのうち月額100ドルで契約可能な「Basic」プランでは1万件/月の投稿しか許可されておらず、サービスへの活用に打撃を与え、大多数の外部サービスが運営を終了する自体に陥った。

その後、昨年中頃には任天堂マイクロソフトのような大企業向けの新プラン「Enterpriseプラン」が設けられ、その価格が想像以上だと話題に。営業担当者との連絡ができるフォームによると、同プランの契約には「4.2万ドルの月額基本料+使用料に応じた従量課金」が課せられる、最も安く見積もっても月650万円、年間では7,800万円超え。

もちろん、使用状況や契約形態に応じて個別の見直しなどは加味されるかもしれないが、それでもなお巨額の負担を強いられることは間違いなく、今回の任天堂の対応はこうした背景も関係しているのではないか、などと予想されていた。

経験者が明かした契約めぐる“苦悩”

なお、X APIはゲームでのスクショ投稿といった“サービスの充実を目的とした補助的な機能”のみならず、X上のフォロワー管理やSNS運用を行う外部サービスにも用いられており、後者の場合は今回の任天堂のような“見限り”判断は事実上不可能で、事業を継続するためには契約するほかに道はない。

現に、国内有数のSNSマーケティングサービスであるSocialDogでは、昨年よりEnterpriseプランの契約を行っているといい、苦渋の決断だとしてサービスの値上げを余儀なくされていた。同社CEOは新X APIについて、自身のXにて「2週間返信がない」「非公開条件を提示された」「プランの契約締結までに2ヶ月半かかった」「APIリクエスト数の99%以上を削減せよと通告された」などといった、担当者とのやり取りにおける苦悩も告白。月に数百万円を超える重い負担はさることながら、到底その取引に見合う対応がなされていないことも明るみになっていた。

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任天堂も見限るレベル?X(旧Twitter)との連携には“最大4桁”想像以上の費用負担が…契約しても苦難続きとの報告も