3月21日に沖縄・北中城村の中城城跡特設会場にて野外ロックイベント「GUSUKU ROCK FES’15」が開催された。

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沖縄を拠点にしているバンド・Shaolong To The Skyの當山貴史が実行委員長を務め、音響や照明に必要な電力を太陽光発電でまかなって行われた「GUSUKU ROCK FES」。彼が生まれ育った北中城の地にある世界遺産「中城城跡」の目の前に設置されたステージにて、14組がパフォーマンスを繰り広げた。

オープニングアクトの川満祐輝はさわやかな歌声を会場いっぱいに届ける。!YA BASTARDS!はハイテンションな演奏で観客を一気にヒートアップさせ、続くメカルジンは重厚なロックサウンド、The Junky JAP Dogsはゴキゲンなロックンロールを会場中に響かせた。

キノコホテルマリアンヌ東雲(歌と電気オルガン)による妖艶なパフォーマンスでオーディエンスの視線を釘付けに。Jack the nicholson'sはアコーディオンバンジョーティンホイッスルなどを取り入れたフォーキーでどこか懐かしい雰囲気の楽曲で観客を沸かせた。沖縄出身のFLiPは「誰が世界遺産でのライブを予想できたでしょうか。それが地元・沖縄で開催されて本当にうれしい」と話し、新曲「Jeremy」や全員でドラミングを行う「平成ジュラシック」といったナンバーを次々と繰り出した。

アコースティックギターヴィオラパーカッションという3人編成で来日した台湾のバンドSTAYCOOLは何度も「沖縄サイコー!」と口にしながら、清涼感のあるサウンドを奏でていく。この日唯一のヒップホップアーティストRODEOは、「イーヤーサーサー」「ハーイヤ」のコール&レスポンスで会場の一体感を高めた。

中盤ではTOKYO FMSCHOOL OF LOCK!」の「とーやま校長」としておなじみのお笑いトリオグランジの遠山大輔がサプライズ登場する一幕も。遠山は実行委員長である當山、中城村の浜田京介村長、北中城村の新垣邦男村長を迎えてトークセッションを行った。世界遺産でロックイベントが行われることについて、新垣村長は「最初はふざけた話だと思ったが、(當山の)熱意にほだされました」、浜田村長は「本当にすばらしいイベントです。北中の若者が『やりたい』と言うのなら我々が断るわけがないですよ。世の中楽しければいいんです」とコメントしていた。

小雨がぱらつき出した夕方頃に登場したのはTURTLE ISLAND。彼らは多数の打楽器を使った大迫力の演奏で観客を踊らせる。続く2side1BRAINは、激しい雨が降る中壮絶なプレイを繰り広げた。荒天のため急遽テントが設置されたステージに現れたギターウルフは爆音を響かせていく。ラストの「UFOロマンティクス」の演奏中に漏電でアンプが機能しなくなってしまい、3人が観客の手拍子と合唱を受けながら演奏を続ける場面も。セイジ(Vo, G)は拡声器を使い「この最高なフェスに来たみんなとバンド、最高! ロックンロール!」と叫んでいた。

機材の復旧作業が終わると、イベントはMONGOL800によるステージへ。彼らは「小さな恋のうた」や「琉球愛歌」、「DON'T WORRY BE HAPPY」などを投下して会場の熱気を再び蘇らせた。そしてこの日のトリを務めたShaolong To The Skyは愛星幼稚園の園児たちをステージに招き入れて「愛の歌」を合唱。最後に「伝説の始まりに付き合ってくれてありがとな!」とメッセージを残して「GUSUKU ROCK FES’15」を終了させた。

Shaolong To The Skyと愛星幼稚園の園児たち。(Photo by Team Takeyasu)