101216saiketsu.jpg   東京都議会の本会議で2010年12月15日、過激な性描写を含むマンガアニメなどの流通を規制する東京都青少年健全育成条例の改正案が可決された。作者の創作活動を不当に侵害しないように「慎重な運用」を都に求める付帯決議を付けることを条件に民主党が賛成にまわり、民主、自民、公明3会派の賛成多数で改正案は成立した。

   この日の都議会本会議は傍聴希望者が多数訪れ、一般傍聴券が配布されたフロアは人で溢れた。186席分ある傍聴券が配布開始後15分でなくなってしまうほどだった。本会議終了後、傍聴していた人達に本会議の感想や意見を聞いてみた。

   「陳述書とかがすごくきているのに、その民意を全然考慮に入れてないように感じました」という20歳前後の女性は「本当に短時間のうちに決まってしまった。悲しみよりも憤りのほうが強いですね」と語気を強めた。別の女性も「流れ作業的にどんどん決まっていってしまうので、いまいち納得が出来ません」と不満を口にした一昨日の都議会総務委員会も傍聴していたという男性は「悔しかったですよね。民意を全く無視した決定。陳情とか請願が来ているにも関わらず全部踏みつけにして......。ああいった議決を出したことに怒り心頭ですね」と語った。

■ 出版社の東京アニメフェア「ボイコット」に勇気づけられた

   本会議での可決により改正条例が成立したわけだが、「今後の活動が重要になる」との見方を示す人が多かった。ある男性は「都民の有権者の方の署名で再審査ができるということなので、署名をできるだけ多く集めたい」と話す。別の男性は「出版社・創作者・消費者・弁護士などみなさんに協力を呼びかけて、スクラムを組んで対抗するしかないんじゃないか」と語った。

   また、別の女性は「まだできることはたくさんあるんじゃないかと思うので、今度は運動に力を入れていきたい」と前向きな姿勢だ。出版社が相次いで都条例改正案に反対を表明し、「東京国際アニメフェア」への出展をボイコットしたことを受けて、「経済的な損失があるにも関わらず反対してくれたことに勇気付けられました。その気持ちを無駄にしないためにも買い支えます」と語る男性もいた。

   印象的だったのは、本会議を傍聴する人々の中に若者が多く見受けられたことだ。美術の勉強をしているという19歳の女性は「もし表現の規制が将来広がり、マンガアニメ以外にも影響したらと考えると怖くなりました」と規制範囲の拡大を危惧。別の19歳の女性は「条例が発表された時期が遅くて、私の周りには(都条例改正案について)知っている人がほとんどいなかった。このような状況で条例をこんなにも早いスピードで可決したということ自体が問題だ」と語った。

   さらに都内から駆け付けた14歳の女性もいた。「もうホント、ふざけるなって感じです。私は青少年っていうか未成年なので、本当に(私たちの気持ちを)無視しているとしか言いようがない結果ですね」と怒りをあらわにした。本会議前に改正案を通した13日の総務委員会では、涙を見せる女性もいたが、この日は「悲しみ」よりも「憤り」を示す傍聴者が目立った。

(三好尚紀)