4月26日に投票が行われる統一地方選挙の後半戦が、19日に告示された。ツイッターには20日の月曜日から「選挙カーがうるさい」といった苦情の声があがっている。

「まじで選挙カーうるせえ。オフィスの前で演説はじめやがった」
「普通にさぁ、オフィス街なんだよ。何を絶叫しとんだ?」

東京では11区で区長選が、21区で区議会議員選挙が行われる。オフィス街のある千代田区中央区新宿区も入っており、仕事中に気が散ってしまう人も多いようだ。

「エブリデイ夜勤の人もいてんやぞ」

公職選挙法では、朝8時から夜20時まで選挙カーを使った活動が認められている。そのため、この日の朝は選挙カーに起こされた人もいた。

「具合悪くて寝てたのに選挙カーに起こされた…」
「朝から、選挙カーの騒音に起こされた上に、選挙カーの撥ねた水しぶきを思いっきりかけられていいことない」

月曜休みの人もおり、「選挙カーがうるさい。朝の8:10には近くを走られた…。休みの日ぐらい寝かしてー!」という声も。さらに辛いのは夜中に働き、昼間は寝ている人たちだ。

「エブリデイ夜勤の人もいてんやぞ。 普通の人かて夜中2時に選挙カー来たらブチギレでしょうよ」

作家でビジネスコンサルタント大石哲之氏は、住宅地を通る選挙カーに「うるさいのでやめてくれ」と注意したが無視されたと憤る内容をブログに書いている。

「こんなことをするのは私くらいなもので、そして相手も無視するのが普通だが、何としてでも、何回でも、注意して、やめてもらうように要請する。選挙期間中、たった一人でもやり続けるつもりだ」

選挙カーは「逆効果」だと感じる人、73%

ネットには住宅街以外にも、オフィス街での選挙活動には特に意味がない、と指摘する声も出る。都心のオフィスで働くサラリーマンは郊外の住宅街から通う人が多く、投票にはつながらないというのだ。

まさに非難轟々の選挙カー。候補者の方は、自分の名前を少しでも多くの有権者に覚えてもらいたい、という思いで候補者名を連呼しているのかも知れないが、果たして本当に意味はあるのだろうか。

ヤフーニュースが2007年に行った意識調査で、興味深いものがあった。「選挙カーでの名前連呼は効果あり?」というもので、「効果あり」と回答したのは7.9%。約2万1000票のうち、わずか1700票だった。一方、「逆効果」という回答は、約1万5000票で72.8%。大半の人が効果はないと思っていることがうかがえる。

今回の統一地方選でも、早朝の選挙カーの使用を控える動きも出てきている。産経新聞によると、12日に投開票が行われた熊本市議選では、西区から立候補した6人が選挙カーの使用時間を朝9時から夜18時に短縮することで合意。夜勤で働いている人など、市民生活が多様化していることを配慮してのことだという。

ニート候補者「選挙カーより選挙公報の充実を」

一方、12日の千葉市議選で落選した「ニート候補者」の上野竜太郎氏(25)は選挙カーの費用に税金が使われていることを疑問視し、自身は自転車で各地を回った。

上野氏のツイッターによると、候補者は運転手や車代、燃料代など選挙カーに関する費用40~50万円を税金で賄うことができる。しかし、「有権者が投票の際に何を参考にしたか」という調査で選挙カーが上位に入ることはなく、1位は選挙公報だという。

そのため、「選挙カーなんかに税金を使う位なら、そのお金で選挙公報のサイズを大きくしたら良いのではないでしょうか。スーパーのチラシですらアレよりカラフルでアレより大きいのに」と提言していた。

選挙カーの使用を問題とした運動は、2011年にもあったようだ。「NO!選挙カー推進ネットワーク」という団体が「1、選挙中に使用する車に据付スピーカーを設置しない」「2、選挙中に使用する車中より音声を発しない」「3、運転手代、ガソリン代など選挙カーに適用される公費負担を請求しない」という公約を掲げ、東京都の地方議会議員候補を中心に64人もの参加者を集めた。

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