yahoogoogle.jpg 2010年7月、インターネット検索サービス業界大手のGoogleYahoo!との2社間よる検索エンジン技術、及び、検索連動型広告配信システムの提携が発表された。今回の提携で2社による検索サービスシェアは合わせて9割となり、これには自民党や民間団体が「独占禁止法上問題があるのではないか」と研究会を開くなど、提携を疑問視する声が相次いでいた。そこで、講談社ポータルサイト・現代ビジネスは、2010年12月14日、「ヤフーグーグル提携問題を考える」と題したシンポジウムを緊急開催。有識者たちによる検索サービス寡占から起こりうる弊害にについて議論が行われた。その様子はニコニコ生放送でも中継され、来場者約3万人とネットユーザーの注目を集めた。

■公正取引委員会「(独禁法違反の)具体的な事実は認められない」、異例の早さで提携容認

 2010年7月にGoogleYahoo!の検索分野での提携が発表され、一部から独禁法違反の声があがる中、公正取引委員会は、12月2日、「具体的な事実は認められなかった。引き続き調査を行う必要はない」と異例の速さで2社の提携を容認した。番組では、提携が早期に容認された理由について、弁護士の牧野二郎氏が分析。検索サービスが「基本的に無料であり、契約がなく、第三者を排除しない」という性質のものであるため、典型的な独禁法違反の類型から外れたと説明した。それに対して有識者たちは既存の判断方法では今後の情報社会において大きな役割を果たすであろう検索サービスについての問題はカバーしきれないと強調する。

■検索寡占化の危険性、東京大学・玉井教授「情報源が1つになれば出てくるものも1つになる」

 東京大学の玉井克哉教授は「情報源が1つになれば出てくるものも1つになる」と寡占化されることで情報の多様性がなくなるという可能性を、生徒たちのレポートを例に取り指摘。さらにGoogleについては「秘密主義を貫く会社に全ての個人情報が集積され握られているのが重要であり肝心」と個人のプライバシーすらも一元化する可能性があるかもしれないと今回の提携に強く疑問を呈した。

 番組を見ていた視聴者からは「日本独自の検索エンジンも作っておくべき」「GoogleYahoo!が検索結果を自由に変えられることができたら経済をコントロールできるかも」など日常的に利用する検索サービスが実質一元化されることから起こる影響を再認識させられたというようなコメントが多く寄せられた。その一方で「今回は反対派に偏りが強かったため、GoogleYahoo!の関係者をはじめ賛成派の意見ももっと聞きたい」というコメントもあった。これからより生活に関わってくることの問題であるので、安易に一面的な議論にならないためにも、提携問題はまだまだ熟議の余地がありそうである。

緊急シンポ「ヤフーグーグル提携問題を考える」生中継
http://live.nicovideo.jp/watch/lv34666179
(番組はタイムシフト機能2010年12月21日まで視聴できる)

村井克成