石川県の架空の温泉地・湯乃鷺温泉を舞台に、「仕事をすること」を正面から描き高い評価を得たオリジナルアニメ花咲くいろは』。放送された2011年当時、高まっていた地方自治体と連携してアニメで地方をピーアールする「ご当地アニメ」熱の中でも、一定の成功を収めた作品といえます。

 今回ご紹介する「和倉結名」は、主人公「松前緒花」が働く温泉旅館「喜翆荘」とは正反対の大規模な老舗温泉ホテル「ふくや」の跡取り娘で、とっても気のいい女の子です。


【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】


■不思議ちゃん

 結名はちょっと不思議ちゃん。いつもわけもなく日本各地の方言をしゃべっています。緒花が初めて学校で出会った時は、関西芸人風の関西弁を使っていました。そのほかにも、博多弁や沖縄弁名古屋弁などを、わりと適当な感じで使っていました。

 また、好奇心旺盛でいつも楽しいことを探しており、バイクに乗りたいからというだけの理由で喜翆荘の板前の宮岸徹にせがんで、タンデムシートに乗せてもらったこともあります。

■姫体質

 結名は学校では同じクラスの鶴来民子とともに「姫」と呼ばれています。しかし、コミュ障で無愛想な民子に対し、結名は空気を読めるので、周囲のちやほやも積極的に受け入れています。

 宮崎県のホテルの跡取りという許嫁がいるものの、本人は特にその約束を守る気がないようで、他の男の子が告白してくるのを頭から拒否することはありません。しかし、だからといって尻軽で誰とでも付き合うということでもなく、告白は聞きますが気に入らなければバッサリと断ってしまいます。とりあえず本気で付き合う気になった男の子はいない様子・・・。そして、一見軽く見えても女子同士の友情にも熱く、クラスの女の子たちからも人気があるようです。

 いつも自然にクラスの中心にいる結名ですが、特に高飛車というわけではなく、思いやりもあります。喜翆荘が映画の出資詐欺にあったと知った時は心配してまっさきに駆けつけました。

■同じ「おかみの孫」でも甘えっ子

 立場的には緒花と同じ「旅館のおかみさんの孫」。ただ、喜翆荘ではいっさい孫として扱われず、仲居として厳しく使われている緒花とは違い、結名はまったく仕事の手伝いをすることもなく、ホテル業の勉強もしていません。

 本人はおばあちゃんが厳しいと言っているものの、おばあちゃんは実際には表面的に厳しく言うだけで、喜翆荘のおかみさんのように労働を強いたりもしませんので、結名も安心して甘えているところがあるようです。ただ、甘えてはいてもわがままということはなく、周囲の大人たちへの礼儀はしっかりできています。

■旅館の仕事が夢に

 そんな結名に変化が現れたのが修学旅行でのこと。宿泊先は許嫁の家のホテルでしたが、仲居のバイトが急にやめてしまったことを知った緒花が手伝いを買って出ました。許嫁に、「結婚するなら旅館の仕事に興味が無い結名より緒花のような女の子のほうがいい」と言われて対抗意識を燃やした結名。大浴場の掃除を人生で初めておこない、疲労の中にも少しやりがいのようなものを感じました。

 そして結名は旅館についての勉強をする気持ちに傾きます。高校卒業後は外国のホテル事情の勉強を兼ねての留学が目的となり、一生懸命英語の勉強もするようになりました。

 苦労知らずで甘えん坊な「和倉結名」。気持ちが優しい女の子なので、率直な一途さでおもてなしを大切にする緒花とはまた違ったタイプのおかみさんになるでしょう。閉鎖してしまった喜翆荘が復活した暁には、緒花と助け合いながら湯乃鷺温泉を盛り上げていってほしいものです。


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★記者:玄Kuro(キャラペディア公式ライター)

(C)花いろ旅館組合

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