仮釈放されたばかりの新党大地代表・鈴木宗男前衆院議員は2011年12月6日午後、記者会見を開き、今後の活動について「新党大地・政権与党の一員として、国民の信頼と理解を得られるように、経験と今までの歩みを活かせることがあればと考えている」と述べた。また、沖縄少女暴行事件について「中身を詳細には知らない」と一川保夫防衛相が答弁した問題を引き合いに、「今は頭の良い政治家はいない」と持論を展開した。

 北海道出身の鈴木氏は前衆院議員で、新党大地の代表。受託収賄やあっせん収賄など4つの罪で懲役2年の実刑が確定し、昨年12月に服役。6日午前、栃木県さくら市にある収監先の「喜連川社会復帰促進センター」から仮釈放された。

 会見冒頭、鈴木氏は「1年ぶりに自由な空気を吸えることができた」と晴れ晴れした表情で語った。「この1年間、(国会議事堂のある)永田町の動きも気になった」とした上で、

「普通の国民の気持ちを正直に体現するのが政治の基本だ。その基本に立ち返るように国民生活第一に、新党大地・政権与党の一員として、国民の信頼と理解を得られるように、私の幾許かの経験と今までの歩みを少しでも活かせることがあればと考えている」

と語り、"生涯政治家"を貫く覚悟を示した。

 また鈴木氏は、一川保夫防衛相が1995年の米兵による沖縄少女暴行事件について「正確な中身を詳細には知らない」と国会答弁した問題についても言及。鈴木氏は「今の政治家に言えることは、勉強した・偏差値の高い政治家はいるけど、頭のいい政治家はいない。言葉の使い方を知らない」と発言。その上で、

「あの(一川防衛相の)答弁でも『(沖縄)少女暴行事件知っているか』と言われたら『十分認識している』と答えればいい。詳細云々なんては、親切に配慮して言ったと思うが、使い方が間違っている」
「同時に、『中身は?』と聞く方にお訊ねしたい。被害者も現にいる。家族もいる。国会周知の場でどうしてプライバシーや人権に関わる話の中身なんて聞けるのか。何という人間味のない話だ」

と語り、両者をバッサリ。さらに鈴木氏は「私が言っているのは地頭(の良さ)だ」としながらも、「政治家は時には胆力を持って裂帛(れっぱく)の気合で相対しなければならない」述べ、重ねて政治家の"地頭"について厳しい言葉を並べた。

◇関連サイト
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http://live.nicovideo.jp/watch/lv73360536?po=news&ref=news#44:10

山下真史)

けさ仮釈放された鈴木宗男氏