東京の名物道路「カンナナ」「カンパチ」! 7と8があるのに聞いたことがない環1〜環6は存在する?

この記事をまとめると

■東京都内には環状線と呼ばれる道路が存在する

■環八や環七が有名だが環1や環5なども存在する

■有名な通りがその役割を兼ねているので「環○」といった呼び方はほとんどされない

環八や環七だけでなく環1や環2もあった!

 東京都に限った話ではなく、都市の中心部から放射状に延びる「放射線」だけでは、放射方向間を通るすべてのクルマが中心部を経由することになるため、必然的に都市の中心部が渋滞してしまう。それを避けるため、多数の放射線を効率よく連絡し、中心部を目的地としないクルマを迂回させるための道路が「環状線」だ。

知られざる環状1号線から環状6号線はどこの道なのか探してみた

 で、東京の有名な環状線としては「環七通り」こと東京都道318号環状7号線と、「環八通り」と呼ばれている東京都道311号環状8号線があるわけだが、当然ながら、東京都内の環状線はいきなりNo.7から作られたわけではない。普段そう呼ばれることはほとんどないが、「環1」から「環6」までの環状線も普通に存在している。

知られざる環状1号線から環状6号線はどこの道なのか探してみた

 知られざる──というほどでもないとは思うが、普段あまり意識されることがない環1から環6までの概要は、おおむね下記のとおりだ。

●環1(環状第1号線)

 都市計画道路の環状線としてはもっとも内側に位置している道路。日比谷通りの馬場先門交差点を基点として、皇居をぐるりと1周している。「環1=内堀通り」と認識しているドライバーも多そうだが、実際の環1は永代通りや日比谷通り、晴海通りなどの一部を含んでいる。

知られざる環状1号線から環状6号線はどこの道なのか探してみた

●環2(環状第2号線)

 江東区有明(お台場の隣あたり)を起点に、虎ノ門2丁目 の特許庁前から終点の神田佐久間町1丁目までは「外堀通り」と重なっている環状線。有明中央橋交差点から晴海や豊洲などの湾岸地域を抜けて、外堀通りの赤坂1丁目交差点までの約6kmは「環二通り」という名称。「環状2号線」と「環二通り」は、重なってはいるが同じモノではないというのが、少々ややこしい。

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●環3(環状第3号線)

 中央区勝どき二丁目を起点に、外苑東通りや新目白通り、言問通り、三ツ目通りなどを経由して江東区辰巳2丁目(首都高辰巳PAのあたり)に至る環状線。とはいえ文京区内や、文京区から台東区に至るあたりが未完成でブツ切れ状態であるため、環3を環3として意識しながら走っているドライバーはかなりマニアックというか、道路オタクといえるだろう。

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●環4(環状第4号線)

 旧海岸通りの港南1丁目から、白金台や新宿区の東部、目白台などを経由して永代通りの江東区新砂3丁目へと至る環状線。こちらも総延長30kmのうち一部は開通しておらず、また「外苑西通り」や「不忍通り」などの超メジャーな道路を含んでいるため、筆者を含むほとんどのドライバーは「環4を走っている」という自覚はほとんどなく、「自分はいま、外苑西通りを走っている」などの認識であるかと推測される。

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名前は聞いたことなくてもじつはお世話になっている

●環5(環状第5号線)

 港区の南麻布から北区滝野川に至る「環状第5の1号線(環5ノ1)」と、北区王子から荒川区荒川に至る「環状第5の2号線(環5ノ2)」で構成される環状線。ほとんどの部分は明治通りと重複しているため「環5=明治通り」という認識でおおむね間違ってはいないが、新宿や池袋の繁華街をバイパスする部分は、明治通りから若干外れている。

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●環6(環状第6号線)

 品川区の東品川2丁目から板橋区氷川町まで、JR山手線のちょい西側を沿って走るイメージの環状線。環状線といっても半円状の環状線だが、戦前の計画では皇居の東側エリアまでぐるりと巡らせる計画であったらしい。「山手通り」とほぼ一致しており、ほぼ全線で「首都高中央環状線」も地下に並行して通っている。

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 以上が環1から環6までのざっくりとした概要だが、ここまできたからには、ついでに(?)環七通りと環八通りにも軽く触れておこう。

●環7(環状第7号線)

 大田区の平和島を起点に、目黒区と世田谷区、杉並区、練馬区、北区、足立区、葛飾区などを通って江戸川区臨海町に至る環状線。通称は、ご存じのとおり「環七通り」。東急世田谷線が環七をまたぐ世田谷区の「若林踏切」は、環七通りで唯一の踏切。

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 といっても信号機があるため、車道側の信号が青であれば、東急世田谷線のチンチン電車は環七の手前で停車し、信号が変わるのをじっと待つことになる。その姿はけっこうカワイイ。

●環8(環状第8号線)

 大田区の羽田空港3丁目から世田谷区と杉並区、練馬区、板橋区を経由して北区赤羽に至る半円状の環状線。通称はもちろん「環八通り」。東京外環自動車道(外環)や首都圏中央連絡自動車道(C4/E66)などができるまでは、第三京浜や東名高速道路、中央自動車道、関越自動車道などの高速道路の受け皿にもなっていた。そのため走行性が重視され、立体交差が優先される形状で整備されている。

知られざる環状1号線から環状6号線はどこの道なのか探してみた

 ちなみに筆者が高校生だった1980年代は、大田区の鵜の木付近の環8予定地にお寺さんのお墓がドーンと構えており、その付近は未開通だった。そのため環八通りを進むためには細い道を通って迂回していく必要があったわけだが、スマホがない時代の方向音痴ライダーだった当時の筆者は、羽田空港のほうへ南下して行くつもりが、迂回しているうちに方向感覚を失い、なぜか多摩川沿いをひたすら西進していたという苦い思い出がある──なんて話はどうでもよかったですね。すみません。

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