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 イエローストーン国立公園には広大な火山活動によって生み出された多くの熱水泉と間欠泉などが存在するが、中には高温で酸性度が高く、人体に危険なものも存在する。

 7月11日、5人を乗せた観光客の車が運転を誤り、酸性の「セミ・センテニアル間欠泉」の中に突っ込むという事故が発生した。

 このSUVは、水深約2.75mの間欠泉に完全に水没したという。

【画像】 酸性の間欠泉に車が水没

 世界遺産となっているイエローストーン国立公園は広大な自然と、火山活動によってできた間欠泉や熱水泉、巨大温帯生態系などがある人気の観光スポットだ。

 2024年7月11日、観光客5人を乗せたSUVが運転を誤り車道を外れ、マンモス・ホット・スプリングスとノリス・ジャンクションの間にある、間欠泉「セミ・センテニアル・ゲイザー」に突っ込んだ。

 この間欠泉の水温は約41度と、ぬるいお風呂レベルでそれほど高温ではないが、酸性度はpH3ほどで、すっぱい酢のような状態だった。

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間欠泉から車を引き上げる職員たち / image credit:Yellowstone National Park.

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5人とも車から脱出し救急車で搬送

 幸いなことに5人とも自力で車から脱出し、近くの病院に配送されたが、命に別状はなかったと報告されている。

 公園当局は翌日、事故現場近くの道路を約2時間にわたって閉鎖し、地元の事業者の協力を得て車両を引き上げた。

 現在、事故調査が進められており、当局は引き続き安全対策を強化し、観光客にはより一層の注意を促している。

 イエローストーン国立公園は、こういった熱水や酸性特性を持つ地域がたくさんあり、常に多くの危険が潜んでいる。

 2016年には、観光客男性が誤って酸性度の高い熱水泉に転落するという事故が起きた。男性は死亡したが、遺体は溶解してなくなっていたという。

 また、この夏の猛暑により山火事のリスクが高まっていることも当局から発表されている。

追記:(2024/07/15)本文画像を訂正して再送します。

References:Fully submerged vehicle removed from thermal feature in Yellowstone National Park - Yellowstone National Park (U.S. National Park Service) / Written by parumo

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イエローストーンの酸性の間欠泉に5人が乗った車が突っ込む