【夏の怪談特集】夢の中の出来事は想像の産物とわかっていても、なかには気になるものもある。芸能事務所に勤務しているという神奈川県の50代後半の男性は、子どもの頃に不思議な体験をしたことがあるそうで、次のように語り始めた。
「あれは44年前、私が中学3年生の時でした。病気で祖父が亡くなり、葬式も終えた辺りだったと思います。夜中に目を覚ますと、信じられないほど速い動悸。指を少しでも動かそうとすれば、心臓が破裂すると思ったくらいバクバクしていました。金縛りかどうかは覚えていませんが、声を出すことも身体を動かすこともできません」
このあと男性は奇妙な出来事を経験した。(文:天音琴葉)
祖父の軍服姿を一度も見たことがなかったが……
動けなくなった男性は、恐怖を感じながらも耐えるしかなかった。すると遠くから救急車のサイレンの音が聞こえてきた。家の前を通過してサイレンが小さくなっていくと、それまで破裂しそうなくらい速かった動悸は元に戻ったそう。その後は何事もなく1日を過ごしたが……
「夜に夢の中で、亡くなった祖父が軍服姿で廊下の先に立ち、玄関に立っている私に手招きをするのです。私は『あ、おじいちゃん!』と。すると、玄関にいちばん近い座敷から祖母が『おじいちゃんは死んじゃったんだから、そっち行っちゃダメよ!』と。そう言われた私は『あ、そうだ』と、座敷にいる祖母の方へ行こうとして目が覚めたのです」
祖父を懐かしむあまり見た夢だろう。しかし男性には引っかかることがあった。男性が生まれたときに祖父は小学校の校長をしており、軍服姿を見たことがなかったからだ。不思議に思い、夢の出来事を祖母に話すと……
「祖母も軍服姿の祖父の夢を見たと言います。祖父が玄関に立っていたので、『お父さんはもう死んだんだから入ってきたらダメよ』と言った夢だったと。(中略)軍服姿の祖父が私と祖母の夢に出てきたことは未だに不思議に思います」
亡くなったばかりの人の夢を見ること自体は不思議ではない。しかし夢に現れた祖父が軍服姿という共通点が、男性に特別な思いを抱かせたようだ。
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