アメリカのケンタッキー州にある家族経営の農場で、愛犬のセイディ―と散歩していたケイラ・パンペリーさん(30)は、草むらで茶色い毛玉がセイディーに近寄って来るのを見た。
よく見るとそれはまだ小さな小鹿だった。近くに母鹿の姿は見当たらない。犬のお母さんと生まれたばかりの小鹿という、まるでアニメのような組み合わせの動物たち。
すると小鹿はセイディ―を母親だと思ったのか、お乳をねだり始めたのだった……!
ケンタッキー州にある農場Pumpelly Farms Highlands and Mini Moosの農場主でもあるケイラさんは、5月のある日、愛犬のセイディーを連れて、農場の周りを散歩していた。
セイディーは5歳のゴールデンで、春に子供を産んだばかり。そんなセイディ―が草むらを駆け回っていると、茶色くて小さな何かが彼女にまとわりついてきた。
ケイラさんが近くに行ってみると、それはなんと小さな小鹿だった。
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セイディ―、ダメよ、その子は飼えないのよ。返してきて!
驚いたケイラさんはそう声をかけたが、周りに母鹿がいる様子はなかった。
最初はそれが何なのかわからなくて、でもすぐに鹿の赤ちゃんだとわかったので、最初は心配でちょっとパニックになりました。
小鹿は可愛かったので、確かに少しワクワクしましたが、どうしていいかわかりませんでした。そこでそこに座って、ビデオを撮ったり写真を撮ったりしたんです
セイディ―がケイラさんのほうに近づいてくると、小鹿もその後を追ってくる。
小鹿はセイディ―の後をどこまでも追いかけていて、実際に何度か私たちに近づこうとしました
犬のセイディ―にお乳をねだる小鹿
そして小鹿は驚くべき行動に出た。まるでセイディ―のことを母親だと思ったかのように、お乳をねだるようなしぐさを見せたんだ。
「セイディ―は本当に小鹿に授乳していたの?」という質問をいただきましたが、私はそうだったと信じています。セイディ―の子犬たちはそろそろ離乳の時期でしたが、この時はまだお乳が出ていましたから
まだ自分の子供たちに授乳中だったセイディ―は、戸惑いながらも小鹿が乳を飲むのに任せた。そして母性本能が働いたのか、小鹿をすっかり受け入れたようだった。
しかしケイラさんとしては、小鹿を連れて帰るわけにもいかない。そこで夫と相談して、専門家に問い合わせることにした。
そして小鹿は無事に母鹿のもとへ戻った
すると専門家は、セイディ―と一緒に小鹿が元いた場所に戻して、母鹿が戻って来るかどうか様子を見るようにアドバイスした。
そこでその通りにしてみると、なんと専門家の予想通りのことが起こった。
私たちはそこで見守り続けていました。すると母鹿が小鹿を迎えに現れたんです
一時はどうなることかと思ったが、お母さんのもとに無事に帰れてホッとしたというケイラさん。その後も農場の近くで、この母子と思われる鹿たちを毎晩のように見かけるらしい。
その鹿たちが、あの日セイディ―に甘えた小鹿と母鹿かどうかは確かめようがないが、ケイラさんは彼らを見かける度に、温かい気持ちになるんだそうだ。
母鹿は小鹿を茂みなどに隠してその場を離れることがある。迷子だと思って人間が小鹿に触ってしまうと、母鹿は小鹿についたニオイを警戒して、育児放棄してしまう恐れがあるそうだ。
鹿で人気の奈良公園でも、人間が撫でてしまったせいで育児放棄され、命を落とした小鹿がいるとのこと。
ハイキング中にひとりでいる小鹿を見つけても、みだりに触れたり抱き上げたりしないようにしよう。
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written by ruichan/ edited by parumo
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