東海道新幹線の座席はA~E席まであり、それぞれ特徴があります。それは車窓の見え方の違いに留まりません。どう選ぶとよいのでしょうか。

同じ「窓側席」でも大きく異なる車窓

東海道新幹線の座席はA~E席まであり、それぞれ特徴があります。A席側(海側)とE席側(山側)では、車窓も大きく異なります。どう選ぶとよいのでしょうか。

東海道新幹線では、3人掛け席の窓側がA席、2人掛け席の窓側がE席となります。新大阪方面行きの場合、進行方向左側がA席、右側がE席です。窓側であれば、全ての座席にコンセントが付いていますが、通路側は最新の「N700S」が充当される列車のみとなります。

E席は窓側席でありながら通路に比較的出やすいうえ、おおむね北向きのため、晴れた日はA席より日差しが入りにくいことが特徴です。また、富士山浜名湖、伊吹山といった東海道新幹線を代表する車窓もE席側です。

このため、基本的には座席は、山側窓際(E席)→海側窓側(A席)→通路側(C・D席)→3人掛け中央席(B席)の順で埋まっていきます。

他方、A席側にも魅力はあります。あまり混雑していない列車の場合、A席に隣接するB席(3人掛け中央席)は最も人気がないため、A席は隣に誰も来ない可能性が高まるのです。車窓でも小田原城や熱海付近の海、京都駅の東寺などの見どころがあります。「ほどほど」の混雑具合であれば、敢えてE席ではなくA席を選ぶメリットは大きくなるかもしれません。

一方で、お盆のような多客期に、トイレが近い人は、移動しやすい通路側(C・D席)を選ぶメリットが大きくなると言えそうです。ちなみに、「最も不人気」なB席は、他の座席の幅が44cmなのに対し、46cmと少し広くなっているのがメリットです。

アンケートの結果は?

新幹線普通車は「座席の位置」だけでなく、号車によっても若干の差異があります。中間車の場合、シートピッチは1040mmですが、先頭車は20mmほど詰められており、この点では中間車が優位です。ただ先頭車は、中間車よりも通路を移動する人が少ないため、静かさでは先頭車に軍配があがります。

乗りものニュースでは過去、東海道新幹線の車窓と座席に関するアンケートを実施し、630人から回答を得ています。「東海道新幹線の座席、車窓で選ぶなら海側(A席)と山側(D・E席)のどちらですか」と質問したところ、回答は「海側(A席)」の33.2%(209人)に対し、「山側(D・E席)」は66.8%(421人)でした。

「海側(A席)」を選ぶ理由は「海が見えるから」が70.3%、「山側(D・E席)」を選ぶ理由は「富士山がよく見えるから」が72.9%と、車窓風景でどちらを選ぶかという観点では、それほど大きな差はないと思われます。

ヘビーユーザーが多い東海道新幹線では、「いつも山側の窓際」など、毎回同じ座席に座る人も少なくないようですが、普段と違う席に座ると、日常的に利用している路線でも新たな発見があるかもしれません。

東海道新幹線の車両(画像:写真AC)。